2008 Fiscal Year Annual Research Report
ニューロパシックペインにおける交感神経遮断の分子生物学的意義
Project/Area Number |
18613013
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
西川 精宣 Osaka City University, 大学院・医学研究科, 准教授 (20145791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 隆 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (00336786)
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Keywords | ニューロパシックペイン / 脊髄 / 交感神経遮断 / in vivoパッチクランプ / ATP |
Research Abstract |
この研究の目的は、後肢にニューロパシックペインを発生させたラットで、腰部交感神経節切除や抗アロディニア作用が示唆される薬剤の脊髄くも膜下投与、あるいはP2X4アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドの脊髄投与を行い行動実験で検証するとともに、in vivoパッチクランプ法で知覚ニューロンのシナプス伝導を検討して交感神経遮断のニューロパシックペインに対する効果の根拠を得ることである。 I.ニューロパシックペインモデルの作成とくも膜下薬剤投与の抗アロディニア効果の検討 7〜15週齢のSD系雄性ラット(体重200〜250g)を用い、交感神経の関与が大きいとされるChungのニューロパシックペインモデルを作成した。1%セボフルレン/酸素で自発呼吸下に麻酔し、一側L5神経根を椎間孔出口で5-0絹糸を用い結紮した。同時にL3/4の椎間よりBaharらの方法で細径のポリエチレンカテーテルをくも膜下腔に留置固定した。手術後、ラットの患肢にvon Freyフィラメントで圧刺激、あるいはプロジェクション光源で熱刺激を加え、ラットが患肢を急にひっこめる動作をする閾値あるいは潜時を測定した。機械アロディニアに対し熱アロディニアは顕著でなかったので、前者のみ検討した。手術後3〜7日の回復期を置いた後、ガバペンチン1,10,30,100μg,クロニジン5,15,30,50,100μgをくも膜下に留置したカテーテルより投与し、15,30,45,60,90,120分後に抗アロディニア作用を検討した。また、得られたおのおのの薬剤のED50の比率で2剤を混合し、濃度を変えて2剤同時投与時の抗アロディニア作用について検討した。クロニジンの脊髄くも膜下単独投与でのED50は17.8±1.8g、ガバペンチンの脊髄くも膜下単独投与でのED50は49.9±5.0gであり、クロニジンとガバペンチン併用投与のED50はクロニジン3.5±0.6・g、ガバペンチン9.8±1.5・gで、isobologramのadditive lineより下方にあり、2剤はsynergisticに作用すると考えられた。 II.In vivo patch clampによるシナプス伝達の検討 Rexedの第II層でin vivoパッチクランプ法でピペット内液の組成と保持電圧を変える事によりEPSCとIPSCを測定でき、足底刺激時の変化を検討する。波形解析によりampliitudeはpost synaptic、fequencyはpresynapticの変化を表す。II層へは脊髄表面に潅流させた薬剤も容易に浸透するのでその効果も検証するが、数多くの試行にもかかわらず安定し
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Research Products
(4 results)