2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18614003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
池田 克巳 武庫川女子大学, 生活環境学部, 教授 (80273499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木 知博 武庫川女子大学, 薬学部, 教授 (30239206)
安井 菜穂美 武庫川女子大学, 生活環境学部, 助手 (70399145)
奈良 安雄 就実大学, 薬学部, 教授 (80116417)
野口 孝則 神戸学院大学, 栄養学部, 講師 (50342829)
家森 幸男 武庫川女子大学, 国際健康開発研究所, 教授 (80025600)
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Keywords | タンザニア青年 / 食塩感受性 / ACE遺伝子多型 |
Research Abstract |
高血圧の危険因子として食塩摂取が指摘されているが、食塩摂取増加による血圧上昇は、白人と比較してアフリカ黒人で遺伝的要因の関与が高いことが想定され、我々もタンザニア黒人は日本人・ブラジル人に比較して食塩感受性が高いことを報告している(CEPP.19.1992)。本研究では、タンザニア在住黒人のACE遺伝子多型と食塩摂取の影響を調査した。【方法】首都ダルエスサラーム、テメケ行政区より無作為に3地区を選び、対象者200名から問診票により循環器疾患・家族歴等を調査し、既往歴として心筋梗塞・狭心症・腎障害・糖尿病を有するものは除外した。さらに血圧・血糖が正常で、非蛋白尿・非薬剤服用者の25〜35歳アフリカ人男性65名を介入試験参加者として無作為に選出した。第1週目に血圧測定・24時間尿採取および採血をおこない、基礎値とした。第2週目に食塩負荷(140mEq/日)し、第3週目に利尿剤ヒドロクロロチアジド(25mg/日)の服用をおこなった(Hypertens Res.25.2002)。食塩負荷期および利尿剤服用期の4、7日目において血圧測定・24時間尿採取および採血を実施し、各試験最終日に血中ACE、血中および24時間尿中の電解質を測定した。コンプライアンスは24時間尿中Na、ヒドロクロロチアジド測定により判断した。ACE遺伝子多型はPCR法にて、遺伝型と表現型の解析をおこなった。【成績】最終的に38名の結果が得られた。食塩負荷7日目から利尿剤服用4日目の平均血圧の低下が5%以上の群(S,n=8)で5%未満の群(R,n=30)に比し、血中ACE濃度は食塩負荷前後ともに有意に高値を示した。アフリカ在住黒人において、食塩過剰摂取およびヒドロクロロチアジドによるNa排泄、降圧でのRA系、ACE遺伝子多型の関与が示唆された。その他、食塩感受性に関与しているといわれているαアヂュシン(ADD1)やアンジオテンシノーゲン遺伝子(AGT)についても同様な検討をおこなったが、今回の健常なタンザニア青年について、これらの多型と食塩感受性との有意な関係はみられなかった。今後、サンプルを増やし、さらなる研究を続ける予定である。
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