2006 Fiscal Year Annual Research Report
触媒学会参照触媒酸化ジルコニウムを利用する超強酸触媒の標準化
Project/Area Number |
18636016
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
松橋 博美 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (70192341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片田 直伸 鳥取大学, 工学部, 助教授 (00243379)
岡本 康昭 島根大学, 総合理工学部, 教授 (80029553)
冨重 圭一 筑波大学, 数理物質科学研究科, 助教授 (50262051)
中村 秀夫 北海道教育大学, 教育学部, 助教授 (30207906)
西口 宏泰 大分大学, 工学部, 助手 (10274739)
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Keywords | 触媒・化学プロセス / 固体超強酸 / 表面・界面物性 / 合成化学 / 化学工学 / 標準化 |
Research Abstract |
本企画調査の成果として、推奨される硫酸化ジルコニアの標準的調製法と使用方法を示すことができた。 出発原料として参照触媒のJRC-ZRO-2と-5の使用が推奨される。ジルコニアゲルは、硫酸イオンを導入する前に充分乾燥した方が良く、乾燥温度は結晶化が進行しない300℃以下が望ましい。 簡便な硫酸化法として平衡吸着法と硫安混練法を調査したが、何れでも再現性良く硫酸化される。平衡吸着法では、結晶化していないゲルでは高表面積で硫酸イオン濃度の高い硫酸化ジルコニアが得られるが、結晶化が進んでいるゲルでは、導入量が少なく表面積の減少も大きい。硫酸混練法では導入される硫酸イオン量の再現性は高い。しかし、超強酸点の形成に直接関わらない、不要な硫酸イオンも残留する傾向がある。特に高い酸強度の酸点形成には不利である。 焼成温度は650℃以下が望ましい。炉内の温度の不均一などを考慮すると、600℃程度とした方が確実である。 硫酸化ジルコニアは、高温で焼成されているため、保存に関しては特に注意は必要ない。活性化等の反応前の処理も、特に必要ない場合がある。保管中に吸着する被毒物質は、ほとんどの場合空気中の水分であるので、これを脱離させるだけで充分である。流通系の場合は、前処理無しに、反応温度に達したら反応を開始して良い。還流などの操作をする反応では、容器をヒートガンなどで加熱し水分が飛散した後に使用することが推奨される。通常良く行われる500℃での前処理は、酸量の減少などが見られる場合があるので、必要がなければ避けた方が良い。 硫酸化ジルコニアが確実に調製されたかを確認する方法としては、熱分析が最も簡便で推奨される。硫酸イオンの分解に伴う重量減少の温度と減少量(硫酸イオン量、SO_3として脱離)に再現性があれば、概ね良好に調製出来ていると言える。
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