2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18637003
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鈴木 利治 北海道大学, 大学院薬学研究院, 教授 (80179233)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森島 真帆 東京大学, 大学院医学系研究科, 講師 (50204722)
駒野 宏人 国立長寿医療センター, 研究所, 室長 (40170378)
矢部 大介 京都大学, 大学院医学研究科, 助手 (60378643)
西村 正樹 滋賀医科大学, 分子神経科学研究センター, 助教授 (40322739)
石浦 章一 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (10158743)
|
Keywords | RIP / sシグナル伝達 / 細胞応答 / γセクレターゼ / タンパク質分秋 |
Research Abstract |
RIPはRegulated Intramembrane Proteolysisの略であり、RIP情報伝達機構とは、膜タンパク質が非水環境下で加水分解を受け、代謝産物が細胞内情報伝達に関わり、細胞応答を引き起こす新しいシグナル伝達様式である。代表多岐なものにNotch-Delta系による細胞分化決定シグナルの伝達、およびSREBPによる細胞内コレステロール代謝制御がある。これまでの細胞内情報伝達系は、情報伝達の可逆性、カスケード性、クロストーク性を特色と、G-タンパク質活性化系やTyrキナーゼ活性化を経たキナーゼカスケード系およびチャネルなど詳細に解析されてきた、これらに対しRIP情報伝達系は、タンパク分解を伴う情報伝達の不可逆性、代謝産物が直接核へ情報を伝える直接性、およびかっかとするクロストーク性に乏しいという特徴を示す。最近、これら既存の情報伝達系の範疇に含まれないRIP情報伝達系の報告が相次ぎ、これまでNotch等の特殊な例とされていたこのシステムが生物の持つ普遍的な細胞内情報伝達系の1つであることが示唆されつつある。そこで、本申請企画調査では、RIPを中心としたこれまでとは異なる新しい細胞内情報伝達系の調査を行い、どのような研究が世界的に行われ何が明らかになりつつあるか検討を加えた。その結果、膜内切断だけではなく、膜タンパク質の細胞質ドメインが切断されて、断片が核へ情報を伝達するシステムや、膜結合型のアダプター分子が、刺激により解離して直接核へ入り遺伝子応答を引き起こす系が実証されつつあることが判明した。これらの調査・勉強会を通して、本研究代表及び分担者を中心に、特定領域研究「第4の細胞内情報伝達系」を申請した。諸外国で研究が盛んになっている新しい細胞内情報伝達系が、我が国では未だ発展途上の現状を踏まえ、関連研究者を集め新規な生命現象の分子機構を解明するためである。本企画調査はそのような将来的な研究を組織化する大きな成果を得た。
|
-
-
[Journal Article] Physiological mouse brain Aβ levels are not related to the phosphorylation atate of threonine-668 of Alzheimer's APP.2006
Author(s)
Sano, Y., Nakaya, T., Pedrini, S., Takeda, S., Iijima-Ando, K., Iijima, K., Mathews, P.M., Itohara, S., Gandy, S., Suzuki, T.
-
Journal Title
Public Library of Science ONE 1
Pages: e51
-
[Journal Article] Enhanced amyloidogenic metabolism of APP in X11L-deficient mouse brain.2006
Author(s)
Sano, Y., Takabatake-Syuzo, A., Nakaya, T., Tomita, S., Itohara, S., Suzuki.T.
-
Journal Title
Journal of Biological Chemistry 281
Pages: 37853-878560
-
-