2006 Fiscal Year Annual Research Report
腎機能障害と動脈硬化促進の共通因子探索のためのネットワークの構築
Project/Area Number |
18639009
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
下条 文武 新潟大学, 医歯学総合病院, 教授 (20126410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成田 一衛 新潟大学, 医歯学系, 助教授 (20272817)
今井 圓裕 大阪大学, 医学研究科, 講師 (00223305)
鶴屋 和彦 九州大学, 医学研究院, 助手 (20372740)
横山 仁 金沢医科大学, 医学部, 教授 (50191531)
木村 秀樹 福井大学, 医学部, 助教授 (20283187)
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Keywords | 慢性腎臓病 / 慢性腎不全 / 動脈硬化 / 心血管疾患 / 脂質代謝異常 / 栄養障害 / 慢性炎症 / カルシウム代謝異常 |
Research Abstract |
腎不全・血液透析症例において、動脈硬化を病理学的基盤とした心血管疾患は、一般人口に比して著しく頻度が高く、かつ進行も早いことは良く知られているが、腎不全に至る以前の軽度腎機能障害(慢性腎臓病)においても、心血管疾患が著しく多いことが近年明らかとなってきた。また蛋白尿は末期腎不全のリスクであるだけでなく、心血管事故の強力な危険因子であることも明らかにされている。そこで本企画調査では、慢性腎臓病・腎機能障害における動脈硬化の機序を包括的に解析することを通じて、新たな視点からのわが国独自の心血管疾患に対する対策を開発するための基礎データを発信する全国的なネットワークを構築し、本企画調査に参加するメンバーを中心として、上記の目的に向けた全国的な共同研究を立ち上げるための組織作り、共通の問題認識に基づいた、個々の研究課題の設定を行うことを目的とした。 平成18年9月、新潟市内にて全ての研究分担者(8名)ならびに各施設(新潟大学、大阪大学、京都大学、長崎大学、福井大学、金沢医科大学、東北大学)の研究協力者数名の参加のもと、上記の目的に添って会議を開催した。ここでは慢性腎臓病患者における動脈硬化を共通の基準で定量的に評価するための問題点を明らかにした。特に脳血管、心・冠血管、大血管、末梢血管などそれぞれの臓器、あるいは部位に特異的な評価基準が必要であることが明らかとなった。脂質代謝異常、カルシウム代謝異常、慢性炎症、栄養障害、末梢動脈硬化、心血管疾患、脳血管などの臨床的な評価法を各施設問で標準化するための検討が重要である。本企画調査により、当初の目的であった全国レベルでのネットワーク構築は、ある程度達成されたが、さらに今後は、それらを実際に検定するための共同研究が必要であることが確認された。また、それぞれの研究分担者により、関連する研究報告が論文として発表された。
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Research Products
(7 results)