2007 Fiscal Year Annual Research Report
新世代プロセッサのためのコンパイラと実行時システムによる多角的多目的最適化
Project/Area Number |
18650007
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
國枝 義敏 Ritsumeikan University, 情報理工学部, 教授 (90153311)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上原 哲太郎 京都大学, 学術情報メディアセンター, 准教授 (20273485)
斎藤 彰一 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (70304186)
桑原 寛明 立命館大学, 惰報理工学部, 助教 (30432222)
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Keywords | コンパイラ / 言語処理系 / 実行時支援システム / 省電力 / プロセッサ / アーキテクチャ / 最適化 |
Research Abstract |
今年度は,DVFS(Dynamic Voltage and Frequency Scaling)と呼ばれる機能に着目した.この機能は,プロセッサの動作電圧とクロック周波数を動的に制御する技術を指し,現在では,Enhanced IntelSpeedStepなどのDVFS機能を備えた多くのプロセッサが実用化されている.この機能はハードウェア性能を制御するが,現在市販されているそれらの商用プロセッサにおいてはソフトウェアから,このハードウェアの動作電圧およびクロック周波数を直接制御することが可能である.この点と現在既に流通し容易に入手可能なプロセッサ中で利用可能であることから,DVFS機能は本研究の具体化において是非試すべきと考えられるためである. このDVFS機能を利用する省電力最適化の具体化案として,PCクラスタ上で動作する並列プログラムに対して,電力量を削減し性能低下を防ぐため三種類の最適化方針を考案し,実際に簡単な評価実験を行った.その結果,通信処理時にのみDVFSによる低電圧低周波数を適用した場合では並列性の高い素数判定プログラムでは効果が見られた。また,並列プログラムのタスクごとに対してDVFSを適用した場合では,負荷に不均衡が発生するような場合では性能低下を起こさずに約5.3%の電力量を削減できた.PCクラスタ環境で無駄なノード数の削減を行った場合では効果は見えなかった. まだ部分的な評価で部分的な結果しか得られていないため,次年度さらに知見を積み重ね,最適化手法を深化させていく計画である.
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