Research Abstract |
本研究は大きく分けて,(1)経路設定アルゴリズムの設計および特性の理論解析,(2)コンピュータシミュレーションによる特性評価,(3)実装および実験ネットワークによる特性評価,(4)実際のネットワークを利用しての特性評価の,合計4段階,2カ年計画を予定している.平成18年度は,このうち(1)および(2)が該当する. (1)経路設定アルゴリズムの設計および特性の理論解析 本研究では,まず,経路の遅延や,リアルタイム性を維持するためにアプリケーションで設定される遅延要求,さらに経路上の高機能ノード(QMLSルータ)の存在数,存在位置など,送受信間の通信品質に影響を与える各種のパラメータについて検討を行い,再構成経路設定の指針を定めた.続いて,この設定指針に基づいて実際に再構成を行うためのアルゴリズムを幾つか設計し,それらの比較および特性解析を理論的に行うと同時に,従来の最短経路を用いた経路再構成方式との比較検討を行った. (2)コンピュータシミュレーションによる特性評価 段階(1)で実施した経路再構成アルゴリズムの比較および特性の理論解析結果を受けて,特にそのトポロジ構造が不均質な実際のネットワークを想定し,理論解析が不可能である様々なネットワークトポロジにおける提案方式の有効性を検証するため,本研究で予算申請を行っている高速ワークステーションを用いて,ノード数や各ノードからの経路の分岐数,ネットワーク密度など,様々なネットワークパターンおよびパラメータを用いて計算機シミュレーションを行い,提案方式の有効性を検証するとともに,提案方式と従来方式の比較検討を行った.
|