2007 Fiscal Year Annual Research Report
AND-ORグラフを用いるデータモデルとその操作系,制約記述に関する研究
Project/Area Number |
18650021
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田島 敬史 Kyoto University, 情報学研究科, 准教授 (60283876)
|
Keywords | AND-ORグラフ / 最小化 / 正規化 / Webサービス / 表 / テーブル / データモデル / 複合セル |
Research Abstract |
AND-ORグラフの応用例として以下の二つの応用に関する研究を行った. 1.Webサービスにおいては,多数の互いに非常によく似たXML形式のメッセージをサーバに対して送信する状況が頻繁に生じる。XMLはWebサービスにおける通信やアプリケーション間のデータ交換に用いられる木構造のデータ形式であり,そのような環境における高い相互運用性を重視して,冗長かつ可読性の高いテキスト形式で表現されているが,そのためパージングのコストが高く,特にWebサービスにおいては,サーバでのパージングのコストが問題となる.そこで,上述のような状況下では,複数の互いによく似たメッセージを一つの木構造にまとめることでサーバのコストを軽減する手法を開発した.複数のよく似た木構造を一つにまとめる変換は,AND-ORグラフの最小化の変換に相当する. 2.Web上では様々な表形式のデータが用いられる.これらの表データをユーザがモバイル機器などの小画面上で効率良く閲覧できるよう支援するためには,閲覧ソフトウェアが表の意味的構造を理解する必要がある.その際に問題となるのは,多くの表データで用いられる複数行や複数列にまたがる複合セルの存在である.そこで,このような複雑な構造を持つ表データを扱えるようなデータモデルとして,これらの表を単純なn項関係や行列としてではなく一種のAND-ORグラフとして捉える「複合テーブルデータモデル」を提案し,その表現能力についての検討を行った.
|