2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18650038
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
馬場口 登 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (30156541)
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Keywords | 映像サーベイランス / プライバシー保護処理 / 監視カメラ / 視覚的抽象化 / アクセス制御 / 人物同定 / 情報ハイディング / メディアセキュリティ |
Research Abstract |
本研究では、サーベイランス映像中の人物像や背景に対して、プライバシーを保護するための映像・画像処理の技術を確立することを目的とする。本年度は以下のサブテーマに従って検討を進めた。 1.プライバシー保護のための全域型処理の考察と実現 サーベイランス映像がオープンなネットワークを流れるとき、その映像にはプライバシー情報が存在するため、盗聴者が不正に映像にアクセス・取得した場合にも対処する必要がある。本研究では、画像の全域的な保護法として、情報ハイディングに着目し基礎的な考察を行った。特に人物や顔の部分画像を画像全域に埋め込む際に、適切なハイディング法を考察した。 2.プライバシーの主観的性質の考察 プライバシーは個人ごとに保護したい範囲が異なるという主観的性質を持つ。ここでは、ユーザスタディにより人物像に対する視覚情報の開示範囲と主観性・個人性の関係を心理学的観点から調べ、映像サーベイランスイシステムの概念設計に反映させた。 3.映像の加工と隠ぺい情報の見え方との関係の明確化 プライバシーを保護する自然な方法として、視覚的抽象化という画像処理オペレータ群を人物像に作用させる方策を検討した。ここでは、抽象化オペレータにより開示される視覚情報の多さに従う、オペレータ間の順序関係を規定した。 4.状況に応じた局所型処理の考察と実現 画像フレームを前景と背景、さらに前景を複数の人物像に分離するアルゴリズムを各々時変背景推定に基づく前景抽出アルゴリズム、前景層状化アルゴリズムとして実現し、アルゴリズムの有効性を実験的に検証した。また、プライバシー保護のための視覚的抽象化オペレータ(透明化、ドット化、シルエット化、モザイク化など12種)を実時間画像処理として実装した。
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