2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18650042
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
宮島 達也 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測フロンティア研究部門, 主任研究員 (10358129)
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Keywords | 知能ロボティクス / センサ / 計測工学 / 解析・評価 |
Research Abstract |
開発中の触覚センサは、接触の際にセンサ自身に発生する歪み分布が対象物の力学物性に依存すること、さらにその歪み分布を2点の歪みで近似することを原理とするため、歪み計測点のどちらか一方を接触中心に一致させることが重要となる。今年度は、分析用歪みゲージと共役な位置関係に別の調芯用歪みゲージを付加した調芯機能付き触覚センサを検討した。試作した触覚センサは、球殻構造を持ち、その球殻の外面が物体と接触した際にその内面に取り付けた3枚の歪みゲージによって異なる3ヶ所の変形を計測するものとした。歪みゲージの取り付け位置は、球殻の投影面上の中心(el)に1点、そして残りの2点(e2、e3)はelを原点とする直交2軸上で等距離(1.0mm)の位置とし、X軸とY軸回りの回転を手動ゴニオステージで調整した。触覚センサは電動ステージ(Z軸)を用い試料表面に接触させた際の歪み信号をA/D変換ボードを介してPCに記録した。 まず、センサと試料表面との接触角を調節し接触中心を探索する調芯操作のアルゴリズムを検討した。未調整状態での荷重-歪み線図は、等価位置にあるe2とe3のシグナル強度が大きくずれており、接触中心がel直下に無いことを示した。X軸とY軸回りの回転を交互逐次調整した結果、荷重-歪み線図のe2とe3は同一強度を示し、調芯条件(e2=e3、e2/elが極小値)を満たす角度に容易に到達できた。次に、調芯後の触覚センサの定性分析機能を評価した。接触の対象物は定性的に硬いものから柔らかいものの順にセラミックス(SiC)、金属(Al)、木質材料(竹材)、高分子材料であり、それぞれの曲線はこの順に並んだ。力学特性パラメータとしての硬さ指標HQ(=(el-e2)/el)は原点における接線の傾きから求められ、本触覚センサによる定性評価が有効であることが確認された。
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