2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18650043
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
久野 義徳 埼玉大学, 大学院理工学研究科, 教授 (10252595)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 敬一 埼玉大学, 教養学部, 教授 (80191261)
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Keywords | 車椅子 / エスノメソドロジー / レンジセンサ / 追跡 / 移動ロボット / ヒューマンインタフェース / コンピュータビジョン |
Research Abstract |
安全で使いやすい車椅子として知的車椅子/ロボット車椅子といわれるものの研究が盛んになっている。しかし、これまでの研究では、使用者や周囲の人の物理的な負担を減らすことしか考えられていなかった。車椅子としては、このような物理的な負担の低減に加え、使用者と周囲の人の心理的障壁を減らし、身体の不自由な人が積極的に外出したくなるようにすることも重要である。ここでは、この心理的障壁の低減の試みとして、利用者の物理的負担の少ない形で、他人から自立的に行動しているように見える車椅子の実現を目指して研究を進めている。 今年度は、実験用にコンピュータ制御で動く車椅子を試作した。細かい動きが必要と考えられるので、最軽量級で小回りの可能な電動車椅子を選定し、それにレンジセンサ2組とビデオカメラを取り付け、ノートPCで制御できるものを開発した。どのようにすれば自立的に行動しているように見えるかの検討に入る前に、まず、介護者の位置をレンジセンサで求め、それに追随して動くようにした。この車椅子については、さいたま市青少年宇宙科学館でデモンストレーションを行った。参加した子供たちについて動きまわることができ、基本的な動作の確認ができた。ただし、人間の急な動きの変化や速い動きに追随するためには、さらに検討が必要なことがわかった。 今後は、どのようにすれば、自立的に行動しているように見えるかの仮説を得るために、通常の車椅子使用の場合について、車椅子使用者と介護者との関係を社会学の分析手法を用いて検討し、その結果に基づいて開発を進めていく予定である。
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