2006 Fiscal Year Annual Research Report
ブランドイメージの分析と工学的表現及びイメージ間相互作用のシミュレーション
Project/Area Number |
18650050
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
山田 耕一 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (60283040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畦原 宗之 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (50401782)
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Keywords | ブランド / ブランドイメージ / ブランドパーソナリティ / 感性工学 / 感性ワード / 連想記憶システム |
Research Abstract |
ブランドはマーケティング分野を中心に研究されてきたが,研究の大半はビジネスや消費者理解を目的とし,ブランドイメージを工学的に表現・利用する研究は全くない.しかし,ブランドイメージが消費者行動に大きな影響を与え,企業経営をも左右する以上,ブランドイメージを一つの主観的実体として捕らえ,工学的に表現・処理する潜在ニーズは非常に高い. 本年度は,まず,ブランドイメージに関する従来研究の調査を行なった.その上で,本研究の目的に合うブランドイメージを再定義し,消費者の内面における階層構造モデルを提案した. また,ブランドイメージの表現モデルとして,J.L.Aakerのブランドパーソナリティを用いる方法と,感性ワードを用いる方法を検討した.具体的には,目動車を対象に,感性工学的手法で選定した感性ワードを要素とする場合と,ブランドパーソナリティのファセットを要素とする場合のブランドイメージをアンケートにより求め,両者の関係を統計的に分析した.その結果,感性ワードによる表現は消費者の感性的ベネフィットと見なすことができ,各感性的ベネフィットはブランドパーソナリティのいずれかのファセットに強い相関で結びつくことがわかった. ブランドパーソナリティ表現の最大の長所は,各要素が対象ブランドに依存せず,異なる品種や業種でも共通の要素を用いることができる点にある.したがって,本年度の研究成果により,異なる複数の品種を扱う企業における商品ブランドイメージと企業ブランドイメージ間の相互作用を扱う際,プランドパーソナリティによる表現が利用できることが明らかになった. さらに,ブランドパーソナリティによるイメージ表現を用いて,車種ブランドと企業ブランドのイメージをアンケートにより作成し,連想記憶システムを用いた相互作用シミュレーションを試みた.その結果,この方法によるシミュレーションの可能性が確認できた.
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