2007 Fiscal Year Annual Research Report
計算知能を用いた渋滞回避エージェントの開発と複雑系としての交通システムの解析
Project/Area Number |
18650055
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
石渕 久生 Osaka Prefecture University, 工学研究科, 教授 (60193356)
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Keywords | エージェント / 機械学習 / 交通需要マネージメント / シミュレーション工学 / ソフトコンピューティング / 複雑系 / 交通流モデル / セルオートマトン |
Research Abstract |
車車間通信により道路情報の交換を行うことのできる渋滞回避エージェントを実装した.渋滞回避エージェントは、対向車線を走行する車両との車車間通信により、進行方向の道路に関する交通情報を得ることができる.また、交差点における車車間通信により、進行方向だけではなく、走行車線と交差する道路に関する交通情報も得ることができる.渋滞回避エージェントは、車車間通信で獲得した交通情報に基づき渋滞回避を行う.具体的には、目標地点までの予想走行時間が最も短い経路を選択することになる.また、大域的な道路交通情報通信システムから得られる道路交通情報に基づき渋滞回避を行うエージェントの実装も行った.さらに、車車間通信エージェントと大域的道路交通情報通信エージェントの比較を行うために、セルオートマトンに基づく交通流モデルの構築も行った.数値実験では、車車間通信エージェントが道路情報の交換を行うことができる通信可能半径および道路情報の交換を行う通信間隔を変化させ、車車間通信エージェントの渋滞回避能力の調査を行った.数値実験により以下のような結果が得られた.まず、通信可能範囲が狭い場合でも、頻繁に道路情報の交換を行うことができれば、車車間通信により高度な渋滞回避が可能であることが確認できた.一方、通信間隔が長い場合では、効率的な渋滞回避を行うことができなかった.特に、通信間隔が長く、通信可能範囲が広い場合では、多数の渋滞回避エージェントが長時間同一の交通情報を持つことになるため、新たに渋滞を発生させるなどの悪影響が観察された.大域的道路交通情報通信エージェントでは、この傾向が顕著になり、通信間隔が短い場合では高い渋滞回避能力を持つが、通信間隔が長い場合では交通流に大きな悪影響を与えることが観察された.
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Research Products
(2 results)