2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18650073
|
Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
森川 敏彦 久留米大学, バイオ統計センター, 教授 (60425155)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角間 辰之 久留米大学, バイオ統計センター, 教授 (50341540)
|
Keywords | 適応型デザイン / アダプティブデザイン / 第一種の過誤 / 症例数再算定 / 中間解析 / 条件付き検出力 / 仮説の変更 |
Research Abstract |
臨床試験における適応型デザインの方法論と適用上の問題について、文献検索、学会・研究集会、関連ソフトのテスト使用、及び実地での臨床試験におけるデザイン検討を通じて調査ならびに問題点の検討を行った。具体的には (1)文献検索:生物統計学に関連する有力欧米誌の検索を行った。内有力な3誌では適応型デザインの特集を行っていた(いずれも2006年)。またEUの新薬審査機関であるCHMPがやはり同年に適応型デザインに関するreflection paperを公表していることは特筆される。当初渡米による調査も視野に入れていたが、これほどの夥しい文献情報により、海外調査は必須でないと判断した。 (2)学会・研究集会:本デザインのニードを持つ日本製薬工業協会による統計関連学会連合大会の企画セッション(「臨床試験におけるAdaptive designsの活用」)の実現に協力し、本デザインを研究テーマとしている在米若手統計学者小山達樹氏の招聰に尽力、かつセッション座長を務めた。本セッションは大きな反響を呼び、その後適応型デザインに関連付けた多くの研究集会が開かれる引き金となった。 (3)ソフトウェアの調査とテスト使用:代表的な適応型デザイン機能を組み込んだソフトウェアが既に存在することが、調査により判明した。その内最も充実していると考えられるソフトを購入(1年契約)してテストを行い、このソフトが極めて高度の機能を保有していることを知った。 (4)臨床試験デザイン検討:報告者が直接間接に関係している臨床試験における検討を通じて、適応型デザインの必要性を実感した。 以上を通じて本研究の基礎固めとしての調査を行う初年度の研究目的は達したといえる。2年度以降は具体的方法論及び臨床試験への実地応用の検討、それらを踏まえた研究論文の作成を目標としたい。本研究、あるいは本テーマに触発された他の研究が規制当局に対しても影響を持ちうるような成果を挙げることができれば意義があることと考える。
|