2007 Fiscal Year Annual Research Report
エージェントの協調による染色体画像からの領域抽出・同定法に関する研究
Project/Area Number |
18650075
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
阿部 亨 Tohoku University, 情報シナジー機構, 准教授 (80222652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 哲男 東北大学, 情報シナジー機構, 教授 (20282006)
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Keywords | バイオインフォマティクス / 染色体 / 画像処理 / エージェント |
Research Abstract |
本研究課題は,画像から染色体領域を抽出し,各染色体領域を同定する二つの処理を高精度に行う新たな手法『1本の染色体領域を複数の部分領域の連なりと見なし,画像中で各部分領域を特異的に探索するエージェントを相互に協調させ,染色体領域の抽出・同定を同時に行う』の確立を目指している.本年度は,より多様な染色体画像へ提案手法を適応させるたに以下の検討を行い,その結果を,前年度実装した試作システムへ反映し,提案手法に対する評価実験を実施した. ●小領域の探索精度は,染色体のフェーズ,染色状態など種々の要因に左右される.そこで,これらの要因が探索精度に与える影響を分析し,参照用部分バンドパターンを補正する手法を検討した.具体的には,対象画像の状態に応じ,探索に用いる参照用部分バンドパターンの輝度値と長さを補正する手法を提案した. ●探索に用いる参照用部分バンドパターンは,分割の仕方により種々のものが考えられ,その中のどれを探索に用いるかは探索精度に大きな影響を与える.そこで,ある参照用部分バンドパターンを対象画像に適用した場合の探索誤りを事前に推定する手法を検討した.これに基づき,対象画像に応じて,探索に適した参照用部分バンドパターンを事前に推定する手法の提案を行った. ●改良・拡張を行った試作システムを用いて,種々の状態(染色体領域が相互に重なる場合,染色体に構造異常が生じている場合など)をシミュレートした画像を対象とした評価実験を実施し,それらの画像に対する提案手法の有効性を確認した.
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