2007 Fiscal Year Annual Research Report
小型魚類の群れ行動に関わる脳領域の同定と分子的基盤の解明
Project/Area Number |
18650082
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹内 秀明 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 助教 (00376534)
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Keywords | 脳・神経 / 遺伝子 / 行動学 / 神経科学 / 初期応答遺伝子 / 社会性行動 / 群れ行動 / 生育環境 |
Research Abstract |
多くの魚は自然条件下では水流の中で周りの景色に定位するために、視野を一定に保とうと運動する性質がある(視運動反応)。視運動反応は研究室内で簡単に誘導することができる。方法は固定した円形水槽に魚を入れ、水槽外側で縦縞模様が描かれた円柱をモータで回転させると、水槽内の魚は周りの背景に定位するために縦縞を追いかけて回転運動をする。1972年にPartridgeらは大型水槽(直径10m)でタラなどの海水魚の魚群(20匹)を用いて視運動反応を誘導すると協調的に集団遊泳することを示している。本年度は小型水槽(直径15cm)で2個体のメダカを用いて視運動反応を同時に誘導すると初期状態によらず個体間距離が常に一定(2〜4cm)に保って遊泳することを発見した。また小型淡水フグ(体長3cm)でも同様の結果が得られ、本実験系は様々な魚類で用いることができることが分かった。また淡水フグとメダカの間では協調的行動が生じなかったことから、この協調的行動は同種個体間認識を介していることも示された(論文準備中)。本研究では申請者が独自に開発した実験系と分子遺伝学が駆使できるメダカを用いる事で魚類の協調的行動の脳の分子及び神経基盤を世界に先駆けて解明できることが期待される
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