2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18650099
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
片峰 茂 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (40161062)
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Keywords | プリオン病 / プリオン蛋白 / 干渉 / 海綿状変性 |
Research Abstract |
1.目的 マウス神経系細胞GT1およびN2a58細胞のマウス順化BSE病原体持続感染系を用いて、他のプリオン株のBSE株に対する干渉現象の有無を検証することを目的とした。 2.方法と結果 (1)細胞を用いた感染実験に先立ちddY/BSE脳乳剤を用いてエンドポイントアッセイを行い、マウスBSE株の感染価を算出した(LD50/g=10^<8.475>)。 (2)ddYマウスの脳乳剤希釈系列を用いて、マウスGT1neo 細胞へのex vivo感染を行った。G418耐性GT(neoGT)を用いた場合、0.001%(10^<3.175>LD50)希釈放を用いても持続感染を検出できた。 (3)感染後15継代を経たneoGT/BSEを用いて、FK1株の感染細胞GT/FKと共培養し、FK-1株の感染に対するBSE先行感染の影響を調べた共培養後G418選択培地にて6継代した細胞を用いたウェスタンブロッティングにて、BSE十FK細胞ではFK-1特異的バンドをわずかに認めるが、異常PrP全体量の増加はないことが判明した。BSE株はFukuoka-1感染をSY株と同程度干渉すると思われた。 (4)N2a58細胞への感染は、2.0%脳乳剤を用いた場合でも3継代以降、異常PrPは検出し得なかった。P1細胞のクローニング(限界希釈法による)を行ったところ、24クローン中3個、感染細胞を得ることができた。BSE株はスクレーピー株と異なりN2a58への感染効率はかなり低いことが判明した。 3.まとめ BSEの先行感染がヒト由来のFukuoka-1株感染に対して弱いながらも干渉することが明らかとなった。SY株よるBSE株の干渉については現在検討中である。また他の弧発性CJD株の感染細胞樹立を行っている。BSE株はスクレーピー株とは異なる細胞指向性を有することが示唆された。
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Research Products
(5 results)