2006 Fiscal Year Annual Research Report
長波長蛍光物質を脳標的化型に改変して脳の機能をイメージングする方法の開発
Project/Area Number |
18650104
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
澤田 誠 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (10187297)
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Keywords | 脳標的化 / イメージング / ペプチド / ドラッグデリバリ |
Research Abstract |
研究1年目として1)市販蛍光イメージャーの検出感度限界の評価、2)長波長領域蛍光タンパクと発色基剤とのイメージングの比較、3)Rhodamine6Gで染色した血液中リンパ球の体内動態の観察を行った。 1)生きたマウス用いて、正確に深さ方向の検出限界を測定することは非常に難しい。そこで、観察限界を正確に測定するため、擬似的な遮蔽物として添加物を含まない無蛍光の食用ハムを用い、蛍光色素の上にハムを重ねることで擬似的な組織厚モデルを作成して正確な検出限界を評価した。その結果,長波長の蛍光基剤であるQdot800では、約6mmの厚さまでシグナルを検出することができた。シグナルの強度を測定すると、4mmでは2mmの約半分の強度であるのに対し、6mmになると4mmの場合の約1/10程度になることがわかった。 2)脳移行性ペプチドを用いた検出は上記の感度限界から直接は難しいと判断した。そこで、モデルシステムとして蛍光蛋白(dsRed)を発現するグリオーマ細胞(GL21)および同細胞の表面をQdot800で標識した細胞を用いることとした。それぞれの細胞50万個を脳内3mmの深さにインジェクションを行い、腫瘍の増殖状態をMaestroとMRIを使い観察した。その結果,脳腫瘍は移植後13日目からMRIにて観察することができたが、蛍光イメージングでは移植後77日目で弱いシグナルを検出できた。そこで、脳を摘出して切片にてdsRed陽性細胞を検索したところ,非常に強い蛍光が確認できた。 3)0.01mg/mlのRhodamine6G、0.2mlを尾静脈注射しリンパ球を蛍光標識した後、50%Ethanolを腹腔内に注射してEthanol誘導性組織障害を起こして標識リンパ球の集積を観察した。その結果,Rbodamine6G投与後1日後および8日後ともに胸部、大腿部、腹部下部にシグナルを検出できた。
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Research Products
(9 results)