2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18650106
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
神谷 温之 北海道大学, 大学院医学研究科, 教授 (10194979)
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Keywords | 海馬 / シナプス伝達 / グルタミン酸 |
Research Abstract |
脳の主要な興奮性伝達物質受容体であるグルタミン酸受容体のシナプス局在はダイナミックに制御されている。本研究では、新規に開発された「cagedグルタミン酸受容体ブロッカー」であるANQXの光分解法を用いて、海馬スライス標本における鯉A型およびカイニン酸型グルタミン酸受容体の分子動態を解析することを目的とする。光学的な手法を用いることで、時間的・空間的にコントロールされた形でグルタミン酸受容体機能を不活化することが可能となる。この点を利用して、光照射によりAMPA受容体およびカイニン酸受容体を不活化し、その後の応答の回復の時間経過を観察する。これまでの研究でAMPA受容体およびNMDA受容体のシナプス発現が動的に制御されていることは知られているが、カイニン酸受容体の動的制御の有無を調べた報告は無く、本研究はこの点を直接検証する。本年度は海馬ニューロンにおける光不活化実験を行うための予備実験を開始し、また、市販されていない「cagedグルタミン酸受容体ブロッカー」であるANQXのカスタム合成を行い、合成と純度のチェックを終えた。今後これを海馬スライスに適用して、内在性AMPA受容体およびカイニン酸受容体のトラフィックに関する実験を行う。また、海馬CA3野のAMPA受容体とカイニン酸受容体応答の記録条件を求め、AMPA受容体を介するEPSCより振幅が小さく持続時間の長いカイニン酸受容体を介するEPSCがGYKI53655存在下に記録されることを確認している。また、局所的および全般的光不活化のための紫外線照射の方法について条件検討を行った。
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Research Products
(4 results)