2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト人工染色体の受精卵への直接導入によるHAC保有マウス迅速作成技術の開発
Project/Area Number |
18650114
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
工藤 純 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (80178003)
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Keywords | 実験動物 / 人工染色体 / バイオテクノロジー / 発生工学 / 染色体工学 |
Research Abstract |
1.染色体分画法の検討 ヒト人工染色体HAC(Human Artificial Chromosome)を保有するマウスES細胞TT2Fを培養し、コルセミド処理により分裂中期染色体を調製するための諸条件を検討した。また、調製した染色体全体から、約2Mbと推定されるミニ染色体であるHACをそれ以外のマウス染色体とサイズの違いに基づいて分離精製するために、ショ糖密度勾配遠心法による分画の諸条件を検討した。このようにして得られたHAC画分は、マウス受精卵の核にマイクロインジェクションで注入する目的を達成するためには、まだまだ純度、密度共に、不十分であり、さらなる精製・濃縮法の開発が必要であることが判明した。今後は、抗クロマチン抗体を用いたアフィニティー精製など、精製・濃縮法の開発を試みる。また、顕微鏡観察下でHACを1本1本採取して、受精卵へのマイクロインジェクションに供するために必須の非侵襲的な染色体の可視化法の開発も検討する。 2.HACDNA分画法の検討 HAC保有マウスES細胞TT2Fをアガロースゲルブロックに封入し、そこから常法に従い調製した超高分子量染色体DNAをパルスフィールドゲル電気泳動にかけ、HACのDNAを分離した。しかし、マイクロインジェクション用に精製したHACDNAは、精製の過程で機械的勇断力により容易に切断されてしまうため、今回の目的に供することは困難であると判定した。 今後は、染色体調製法に標的を絞って、HAC保有マウス迅速作成技術の開発に挑む。
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