2006 Fiscal Year Annual Research Report
初期化誘導ペプチドを用いた体細胞クローンマウスの作出
Project/Area Number |
18650116
|
Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
角田 幸雄 近畿大学, 農学部, 教授 (80217364)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 容子 近畿大学, 農学部, 助教授 (40278742)
|
Keywords | 初期化 / 初期化誘導ペプチド / 核移植 / マウス |
Research Abstract |
本研究で用いる初期化誘導ペプチドは、ウシ未受精卵細胞質内で見いだしたTCTP蛋白質の配列のうち、46番目と64番目のセリンのリン酸化部位を含む19残基のペプチド(10mg/ml)である。本ペプチドを導入したウシ体細胞を核移植に用いると、導入しない体細胞を用いた場合と比べて、核移植卵の胚盤胞への発生率に大差はないが、受胚ウシへ移植後の妊娠率が向上し、流産率ならびに異常子ウシ率が低下したことを明らかにした。そこで、本研究ではリン酸化TCTPがマウス体細胞核移植卵の発生能に及ぼす影響を検討することを目的に実施した。核移植は、hCG投与後14時間目にF1雌より採取した未受精卵の周りに存在する卵丘細胞を、ドナー細胞として用いた。ドナー細胞は、染色体を除去した未受精卵細胞質にピエゾマイクロマニプレーターを用いて注入し、6時間のストロンチウム処置によって活性化すると同時に、ピストン脱アセチル化阻害剤TSAによる前培養を行った。マウス体細胞核移植卵の産子への発生率は、1〜3%と極めて低いため、初期化誘導ペプチドの影響を調べることは困難である。そこで、核移植卵の受胚雌への移植時期と移植部位の影響を検討して、着床率ならびに胎子への発生率の高い条件を調べた。その結果、核移植卵を胚盤胞期で1.0日目の卵管(着床率74%、妊娠10.5日目の生存胎子への発生率18%)に移植した場合、他区に比べて着床率(3〜60%)と生存胎子への発生率(0〜11%)が高いことが判明した。そこで、核移植直後の卵細胞質に10plリン酸化TCTPあるいはバッファーを注入後、ストロンチウムとTSA処置を行い、胚盤胞へ培養後偽妊娠1.0日目マウスの卵管に移植して、着床率ならびに生存胎子への発生率の影響を検討中である。
|
Research Products
(1 results)