2006 Fiscal Year Annual Research Report
薬物を内包したリポソームの放出透過特性の解析と計測評価に関する基礎研究
Project/Area Number |
18650123
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
江 鐘偉 山口大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (60225357)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉本 誠 山口大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (80322246)
渡辺 哲陽 山口大学, 大学院・理工学研究科, 講師 (80363125)
|
Keywords | リポソーム / 膜の透過特性 / リポソームの調製 / 超音波 / 高分子ゲル / 評価方法 |
Research Abstract |
本研究では、脂質2分子膜からなる微細な閉鎖小胞であるリポソームに外界刺激(超音波や光など)を与え、その構造特性を力学的な観点から探求し、超音波や光の波長、強さ、照射方法などがリポソームの構造特性ならびに膜の放出・透過特性にいかに影響するかを明らかにすることを目指している。今年度においては、外界刺激として種々の超音波を用い、リポソームへの照射実験と検証を行った。結果概要をまとめると次に示す通りである。 1)卵黄由来のPOPC,CholesterolとDPPEのモル比を変え、3種類の脂質二分子膜を調製した。さらに超音波照射による影響を定量的に計測し調べるため、これらのリポソームに蛍光剤を封入した。 2)超音波発生器として、市販のプローブ型(TOMY精工(株))、超音波洗浄機、圧電セラミックスを用いた自作の超音波放射容器を用いた。さらに超音波の周波数、パワーを変化させながら、リポソームに封入された蛍光剤の漏出量を計測し、リポソームの放出特性を調べた。 3)実験より得られた結果を解析し、DPPE-2000を添加することで、超音波照射がリボソームの放出特性に大きな影響を与えることがわかった。また、リポソーム外水相へのカルセインの膜透過濃度を評価する数式を導き、その濃度の変化特性から、リポソームの破壊特性を判別することを試みた。 得られた結果の一部を平成18年9月に開催された日本機械学会年次大会にて発表した。また、その後発展させた結果を現在まとめ、国際学術英文雑誌への投稿を準備しているところである。
|
Research Products
(2 results)