2006 Fiscal Year Annual Research Report
アレイ化DNAのin vivoトランスフェクション
Project/Area Number |
18650124
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
新留 琢郎 九州大学, 大学院工学研究院, 助教授 (20264210)
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Keywords | 遺伝子デリバリー / トランスフェクション / 細胞アレイ / DNAアレイ / イン・ビボ |
Research Abstract |
細胞内へ核酸をデリバリーする技術は、遺伝子や低分子核酸を薬剤として利用する遺伝子治療のための基礎技術となるばかりでなく、未知遺伝子の機能解析のための重要なツールとなる。本年度はガラス基板上から遺伝子の培養細胞へのデリバリーにおける最適条件を見いだすとともに、マウス肝臓表面に基盤を押しつけることで、in vivoでの遺伝子デリバリー効率を評価した。 まず、ガラス上にプラスミドDNA単独または、プラスミドDNAとプロタミン、あるいは、ポリエチレンイミン、リポフェクトアミン2000との複合体を吸着させ、シャーレ上のCHO細胞の上部から30分間押しつけた。その後、ガラス基板を除去し、一晩培養し、細胞内の遺伝子発現を評価した。その結果、プラスミドDNA単独の場合でも有意な遺伝子発現が認められたが、上記のカチオン性遺伝子キャリアーと複合体を形成させた方が高い発現効率を示した。細胞内への取り込み効率あるいは細胞内での核への移行効率に差があることが考えられる。 マウス肝臓にプラスミドDNA単独またはプロタミン-DNA複合体を吸着させたガラス基板を押し付けることで遺伝子導入が可能であるか検討した。しかしながら、培養細胞実験の結果から予想されたような十分な遺伝子発現効率を得ることはできなかった。そこで、基板をガラス基板からステンレス基板に変更し、エレクトロポレーション法と併用することで遺伝子発現が観察されるか検討した。マウスを開腹し、DNAをコートしたステンレス基板でマウス肝臓左葉を挟み込み、その上からエレクトロポレーション用電極で挟み込み、電気パルスを照射した結果、明らかな遺伝子発現が肝臓表面で観察された。電気パルスがDNAを積極的に細胞内に移動させるのだろう。このように、in vivoでの基板表面からのトランスフェクションに成功した。
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Research Products
(8 results)