2006 Fiscal Year Annual Research Report
新しい原理に基づく低エネルギー除細動法の開発に関する基礎研究
Project/Area Number |
18650129
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
稲垣 正司 国立循環器病センター(研究所), 循環動態機能部, 室長 (80359273)
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Keywords | 不整脈 / シミュレーション / 心室細動 / 蛍光計測 / リエントリ |
Research Abstract |
植込み型除細動器(ICD)は心室細動(VF)などの致死性不整脈に対して極めて高い有効性を持つが、高エネルギーショックによる心筋傷害は低心機能患者にとっては時に致命的になる。このため、より低エネルギーの通電による新しい除細動法の開発が求められている。一方、VFの主な機序は渦巻き様に旋回する興奮波(spiral wave)であることが明らかとなっている。このようなspiral waveは心臓の電気現象以外にも広く自然界で観察され、一定の条件下であれば外部からの刺激によってその挙動をコントロールできることが示されている。本研究では、VF中のspiral waveを脱分極閾値以下の低エネルギー通電やペーシングによってコントロールしてVFを停止させる新しい除細動方法を開発する。 コンピュータ・シミュレーションにより、3次元媒質内に誘発したspiral wave (scroll wave)を局所ペーシングおよび媒質外部からの刺激閾値以下低エネルギー通電により停止させる方法を検討した。局所ペーシングを行った場合も、閾値以下の低エネルギー通電を行った場合も、心筋の厚みが大きくなると停止までの時間が次第に延長し、閾値以上の厚みでは停止できなくなった。興奮伝導の異方性や細胞間の電気的カップリング低下は、停止までの所要時間を延長した。また、ネットワーク化した複数点からのペーシングにより停止までの時間を短縮することが可能であった。 ウサギのLangendorff潅流心標本において複数の3次元的spiral waveを誘発し、心表面の光学的活動電位マッピングを行いながら、シミュレーションと同様の繰り返し低エネルギー通電を行い3次元的spiral waveのコントロールを試みた。繰り返し低エネルギー通電のタイミングや通電強度を様々に変更したが、spiral waveを停止させることは不可能であった。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Short-term electroacupuncture at Zusanli resets the arterial baroreflex neural arc toward lower sympathetic nerve activity2006
Author(s)
Michikami D, Kamiya A, Kawada T, Inagaki M, Shishido T, Yamamoto K, Ariumi H, Iwase S, Sugenoya J, Sunagawa K, Sugimachi M
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Journal Title
AmJPhysiol Heart CircPhysiol 291
Pages: H318-326