2008 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト幹細胞のインビトロ心筋誘導率アッセイによる、心筋誘導因子同定と誘導効率の改善
Project/Area Number |
18650135
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
三好 俊一郎 Keio University, 医学部, 講師 (10296577)
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Keywords | 間葉系幹細胞 / 心筋再生 |
Research Abstract |
ヒト子宮内膜ならびに月経血由来間葉系幹細胞がin vitro, in vivoで非常に高率に心筋へ分化することを論文報告した。さらに同細胞を用い無血清培地システムによるin vitro心筋誘導を確認し、無血清状態でも心筋誘導が血清存在下と同等かあるいはそれ以上に誘導効率が良い事が判明した。現在、論文発表準備中である。また、培養中のヒト間葉系幹細胞の心筋分化能を高めると考えられる数種類の薬剤処理を行った。心筋誘導補助因子の同定は、in vitro心筋誘導アッセイシステムを用いた。検索の結果、近年アンチエイジング効果が期待されるアンギオテンシン受容体阻害薬(ARB)やチアゾリジン誘導体(pioglidazone)といった薬剤を前投与する事により細胞増殖が改善し、心筋誘導効率を改善することを確認した。 驚くべき事に、従来非常に誘導効率の低いと考えられていたヒト骨髄間葉系幹細胞にこの処置を加える事によって、心筋誘導効率が劇的に改善する事が判明した。現在その細胞生理学的な機序解明を、分子生物学的な手法を用いて検討を続けている。またこれらをさらに進め、非共培養依存型心筋誘導システムの開発を行っている。さらにIn vivo心筋梗塞モデルにおける、ヒト骨髄間葉系幹細胞移植においてチアゾリジン誘導体(pioglidazone)で前処置することにより、心機能が改善することを学会報告した。ヒト羊膜由来間葉系幹細胞を用いたIn vivoモデルにて、高率な心筋分化と細胞性着を確認した。同モデルにおける移植免疫と免疫寛容の獲得へのHLA-Gの関与につき学会報告した。
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