Research Abstract |
○培養状態での長期間連続観察手技の確立 遺伝子導入時の状況と発現頻度を関連づけるためには,導入後遺伝子が発現するまで培養状態で持続的に観察を続ける必要がある.現在のところ,細胞観察用の水槽の滅菌を十分に行うこと,抗生物質を培養液に多めに添加することで,20時間程度の持続観察が実現されており,導入から発現の開始までは観察が可能となった.今後さらに期間の延長を試みて行く. ○多点タイムラプス観察システムの開発 本研究費で購入した顕微鏡用電動XYテーブルを用いて多点タイムラプス観察を行うため,XYテーブルによる自動スキャンと,民生用デジタルカメラでの自動撮影を実現するパソコン制御システムを作成した.また,制御用ソフトウエアの基本部分を作成した. ○遺伝子導入実験手技の習得 富山大学医学部において,GFP遺伝子を用いた遺伝子導入実験の手技を習得した.また,実験に必要なGFPの増幅,精製の手技の習得も行った.さらに,北大内でこれを行うために第二種使用等拡散防止措置承認申請を行い,承認を得た.その上で,GFPの増幅・精製を行った. ○遺伝子を付着させた微小気泡の作成方法に関する検討 我々が提案しているソノポレーションでは,細胞膜に気泡が付着した状態でパルス超音波を照射することにより気泡付着部に膜損傷を与え,細胞への遺伝子取り込みを実現する.この際,気泡自身に遺伝子が付着していれば,取り込みの頻度が大幅に向上すると考えられる.そこで,遺伝子が付着した微小気泡を我々の実験室で作成する方法について検討を行い,基本的実験を通じて作成の見通しを得た.
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