2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナノバブルを用いたリアルタイム分子導入法の開発と腫瘍血管新生抑制治療への応用
Project/Area Number |
18650140
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小玉 哲也 東北大学, 先進医工学研究機構, 助教授 (40271986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 栄夫 東北大学, 大学院医学系研究科, 教授 (20302218)
早瀬 敏幸 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (30135313)
藤川 重雄 北海道大学, 大学院工学研究科, 教授 (70111937)
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Keywords | ナノバブル / 癌 / 画像処理 / シュミレーション / イメージング |
Research Abstract |
超音波と微小気泡を使った分子導入法は、非侵襲的に標的組織に遺伝子などの高分子を導入することが可能で、免疫原性や細胞毒性はなく、がん、心臓疾患、炎症性疾患の治療への応用が期待される。 本研究ではEPR効果(Enhanced Permeability and Retention Effect)で、固形腫瘍内の血管を流れ、漏出・滞留する、抗腫瘍分子内包ナノバブルを実時間で破壊して、抗腫瘍分子を血管組織に導入し、「新生血管の抑制を目指す分子導入システムの開発」と「がん治療への応用」を目的とする。 本年度は、まず、安定的なバブルの作成と、マウス固形腫瘍内の血管を流れるバブルの超音波画像の取得、および、超音波場で振動するバブルの挙動と発生する衝撃圧との関係の理論的な解明をおこなった。 1)作成したバブル粒度は、組成やその製造過程の条件によって変化し、平均直径は98-828nmの範囲にあることが実測された。 2)固形腫瘍内を流れるこれらのバブルの挙動を小型動物用高周波超音波装置で解析し、バブルの輝度値は、粒度分布、バブル製造過程の条件の影響を受けることが示された。 3)理論計算により、微小なナノ気泡を強制的に振動させるには高い超音波圧力が必要になることが示された。したがって、超音波作用圧とナノバブルの粒径を最適化することで、効果的な分子導入効率が得られることが明らかにされた。
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Research Products
(36 results)