2006 Fiscal Year Annual Research Report
機能性生体分子を配向した光触媒ナノ粒子の創製とその医療応用
Project/Area Number |
18650143
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
清水 宣明 金沢大学, 自然計測応用研究センター, 教授 (50019634)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荻野 千秋 金沢大学, 自然科学研究所, 助手 (00313693)
東田 陽博 金沢大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30093066)
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Keywords | 二酸化チタン / 超音波 / ラジカル分子 / がん治療 / ポリアクリル酸 / 二酸化チタン内包リポソーム / 細胞死 / DDS |
Research Abstract |
(1)安定分散型二酸化チタン・ナノ粒子の作製 二酸化チタン・ナノ粒子をがん治療に用いる場合,血液中で安定に分散する必要がある。しかしナノサイズの二酸化チタンゾルは非常に不安定であり,pHが3.5以上ではその分散粒径を維持できず凝集する。このため平均分子量5,000のポリアクリル酸ポリマーを用いて熱水反応を行うことで二酸化チタンゾル(粒径20-30nm)表面にカルボキシル基を導入した。これよりカルボキシル基間の静電的反発力による安定な分散系を構築した(PAA-Tio2)。作製したPAA-Tio2はpH3-9の間で安定に分散することを確認した。本ハイブリッド体はカルボン酸を標的としたリンカーで容易に活性化後,抗体などのタンパク質の固定化も行える。また生体分子を固定化した場合,抗原-抗体反応に起因する特異的レスポンスが表面プラズモン共鳴(SPR)センサにより確認できた。 (2)二酸化チタン・ナノ粒子を内包する細胞膜融合リポソームの作製 がん組織にのみ二酸化チタン・ナノ粒子を送達可能なリポソームの創製を目的とし,二酸化チタン・ナノ粒子を内包したリポソーム表面に抗体などのタンパク質の化学修飾の諸条件の検討を行った。二酸化チタン内包リボソームは凍結乾燥リン脂質を二酸化チタン・ナノ粒子が分散しているリン酸緩衝液に懸濁することにより作製した。リポソーム表面ヘタンパク質を修飾する方法として,NHS-PEG・DSPEをリポソーム膜に挿入し,NHS基にアミノ基をアミド結合させる修飾方法を確立した。センダイウイルスを表面修飾した二酸化チタン内包リポソームをマウスリンパ腫由来細胞(L1210)に作用させ,共焦点レーザー顕微鏡およびフローサイトメトリーでの解析を行った結果,膜融合性による有意な細胞への取り込みあるいは表面吸着を確認できた。
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