2006 Fiscal Year Annual Research Report
睡眠時無呼吸症候群に対する舌骨上表面電気刺激による新しい治療法の開発
Project/Area Number |
18650161
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
半田 康延 東北大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00111790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関 和則 東北大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (20206618)
山村 裕明 東北大学, 病院・助手 (00400375)
小倉 隆英 東北大学, 医学部, 助手 (10312688)
中山 勝敏 東北大学, 病院・講師 (40321989)
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Keywords | 健康・福祉工学 / 睡眠時無呼吸症候群 / 電気刺激 |
Research Abstract |
睡眠時無呼吸症候群(Sleep apnea syndrome:SAS)に対する新たな治療法の開発を目的として舌骨上部皮膚表面上からの電気刺激(Suprahyoid Stimulation:SHS)による改善の効果をMRI検査およびSAS検査装置(ポリグラフ)を用いて解析した。SASと診断された被験者2名に対して、SHSを施行しその後上記検査を行った。結果、2名ともにMRIによる画像解析では、SHS前は鼻腔付近に炎症の所見があったが、SHS施行2週間後では炎症症状は消失していた。また、SHS前とSHS直後の比較では舌根部の挙上が認められた。また、ポリグラフでの解析は1名で改善が得られもう1名は変化なしであった。しかしながら自覚症状は2名共に改善していた。さらに基礎データとして健常被験者6名を対象にSHS施行中の舌骨、喉頭の動態変化をビデオ嚥下造影検査(Videofluorography:VF)を用いて解析した。健常者に対し刺激周波数3HzでSHSを行ったところ、刺激パルスに同期して舌骨は上前方へ喉頭は上方へ動くことが確認された。また脳血管病変を有し嚥下障害を呈する症例6名に対してSHS前後でのゼリー飲み込みにおける舌骨、喉頭、喉頭蓋、食塊の動態を解析し、さらに1日1回のSHSを2週間継続して行った後に再びVFを行い同様の解析を行った。嚥下時の舌骨、喉頭の動態をコンピューター解析した結果、SHS後、舌骨・喉頭の動態変化が認められ、SHS2週後も同様な効果が認められた。したがって、本年度の研究結果からSHSは咽頭部の動態変化を促すとともに、電気刺激による末梢からの求心性効果による中枢神経が調節されるNeuromodulation効果をもたらしていると考えられる。
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