2006 Fiscal Year Annual Research Report
舞踊の電子テキスト研究-文理融合型の民族舞踊研究の視点から
Project/Area Number |
18650170
|
Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
中村 美奈子 お茶の水女子大学, 文教育学部, 助教授 (20345408)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴野 耕司 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (50216024)
|
Keywords | モーションキャプチャ / 舞踊記譜法 / XML / 身体動作分析 / 民族舞踊 / 民俗芸能 / Labanotation |
Research Abstract |
身体動作の電子的な解析は,近年では,モーションキャプチャ(Motion Capture)を使って行われてきているが,一方,人体の「意味ある動作」を記述する舞踊譜を用いた「舞踊のテキスト研究」は,舞踊動作の分節化と舞踊構造の解析という点において優位性を持っている。本研究では,モーションキャプチャによる舞踊動作の定量的な動作解析と,舞踊譜を用いた身体動作の構造分析を,「電子テキスト化」という方法を介して文理融合させることにより,新しい民族舞踊研究の方法論を確立しようと目論むものである。 平成18年度は,「鳥インフルエンザ」等の理由で海外調査を自粛したため,これまでに採取したインドネシア・バリ島の舞踊のデータを元に,舞踊記譜法Labanotationを用いての記述を行い,「LabanXML」開発に向けて研究を行った。その成果は,平成18年7月末より8月初頭にメキシコシティにおいて開催されるLabanotationと舞踊に関する権威ある学会である,ICKL(International Council of Kinetography Laban/Labanotation)国際学会に投稿し,受理された。(平成18年1月に受理) また,前述の理由から,平成18年度は,日本の民俗芸能である,国指定重要無形文化財「岩崎鬼剣舞」(岩手県)を研究事例とし,庭元(家元)と初心者による舞踊実演のモーションキャプチャデータの比較分析を行った。研究協力者によるフィールドワークの詳細なデータを元に,「ザイを切る」という動作単位(舞踊の型)に注目して民族舞踊学の視点からの質的な動作分析とモーションキャプチャによる定量的なデータ分析をつき合わせる形での分析を行い,文理融合型の民族舞踊研究のモデルを追及した。これらの成果は,情報処理学会の研究会である「人文科学とコンピュータ研究会」において共著論文として発表を行った。(雑誌論文2件)
|
Research Products
(2 results)