2006 Fiscal Year Annual Research Report
ダンス・セラピスト養成カリキュラムの福祉援助技術教育への応用に関する研究
Project/Area Number |
18650172
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Research Institution | Japan College of Social Work |
Principal Investigator |
八木 ありさ 日本社会事業大学, 社会福祉学部, 助教授 (80249648)
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Keywords | ダンス・セラピー / 養成カリキュラム / 福祉援助技術 |
Research Abstract |
本研究では、2年間にわたるドイツにおけるダンス。セラピスト資格養成課程への参与観察とそのカリキュラムの分析を行う。更に、ここで得られる、からだの在り方に気づき、非言語コミュニケーションを評価する力を養うためのダンス・セラピーの課題学習が、援助技術者養成のブログラムの一部として有効である事を検証しようとするものである。 平成18年度はその第1段階(第1年目)として、日本におけるソーシャルワーカーに求められる資質を高める教育の指針である「社会福祉土養成カリキュラム」(厚生労働省1998年)から社会福祉養成に関する公的方針を明らかにし、その主要科目である「社会福祉援助技術演習」の教科書などから、社会福祉土養成において求められる対人援助能力の基盤には、身体性にもとづく人間理解とコミュニケーション技術に支えられた関係形成の技能が不可欠であることを明らかにした。次に、ダンス・セラピー養成カリキュラムの中の学習課題を用いて、関係形成の技能を効果的に養うための「身体性を重視した社会福祉援助技術演習ブログラム」を作成・実施し、その内容および方法の是非について検討した。その結果、社会福祉援助の道具としての自己及び対象としての他者を、身体を通じて感じとり働きかける教材を含んだ本ブログラムを通して、受講者が身体に注目することの意味を感じるようになるという学習成果を得た。また、この「身体性を重視した社会福祉援助技術演習プログラム」が、ソーシャルワークの基盤となる自己と他者の理解や、人間の多様性を受け入れる態度にふれる体験を重ねながら、きめつけずに、相手を尊重し自分も尊重できるよう、自己のありようを常に吟味し続ける力を準備する上で役立つことが示唆された。
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