2006 Fiscal Year Annual Research Report
スポーツ教育における教員の再現認知による力量形成に関する研究
Project/Area Number |
18650173
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
西原 康行 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 助教授 (50339959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 一栄 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (30339957)
秋山 隆之 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 講師 (70410272)
生田 孝至 新潟大学, 教育人間科学部, 教授 (20018823)
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Keywords | 大学体育 / 教師教育 / 再現認知 / 実践的認知 / オンゴーイング |
Research Abstract |
本研究の最終的な目的は、スポーツ教育の教員の教授力量形成のために視覚VTR(CCDカメラを教員の頭につけて収録した映像)を使った再現認知を行い、教員の力量形成のための手法の一般化を行なうことである。また、調査対象を小・中・高等学校・大学における教員だけに絞るのではなく、トップアスリート育成のコーチにも拡げることにより、コーチングにおける認知データからの教授技術も明らかにする。 平成18年度は、再現認知に有効な方法論の確立を行うことを具体的な計画として掲げた。CCDカメラで収録した授業時の教員の視覚VTRデータを、授業後再現認知していく際、授業主体の教員がVTR映像を何秒観て、何秒言語として語る(プロトコルする)ことによって再現認知を最も引き出すことができるかについてプリテストを数回行い、有効な再現認知の引き出し方の方法論を確立することとしていた。 結果として、CCDカメラ映像を30秒観て、30秒語ることが最も多くの再現認知を引き出すことに有効であることが明らかとなった。また、この方法により、熟達教師が、空間と時間の全体と部分を行き来しながら授業を進めることや、先行予測にもとづく働きかけを行っていることが明らかとなった。さらに、学習者が否定的な行動をとっていても即座に働きかけるのではないことや、肯定的働きかけによって授業に勢いをつけていくことも明らかとなった。なお、この結果は、日本体育学会第57回大会【弘前市】、CELDA(Cognition and Exploratory Learning in Digital Age)2007【Barcelona】で発表するとともに、原著論文として大学体育学Vol.4、および現代社会文化研究Vol.37に掲載している。
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