2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18650176
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
奥田 援史 Shiga University, 教育学部, 准教授 (10233454)
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Keywords | 運動意欲 / きょうだい / 家庭環境 |
Research Abstract |
本研究の目的は,「なぜ,運動意欲の個人差が生じるか」というテーマに対し,行動遺伝学的アプローチから検討することである。昨年度の研究結果から,運動意欲の個人差に対する環境要因の相対的影響度の割合が大きく、なかでも非共有環境要因の影響が大きいことが示された。そこで,今年度の研究目的,実績は以下の通りであった。 1.研究目的:運動意欲と非共有環境要因との関連性を検討すること。 2.方法 1)調査対象者:同じ家庭に育つきょうだい95組(高校生・大学生ペア),計190名を対象とした。 2)調査内容:運動意欲(達成動機)に関する調査及び非共有環境に関する調査。 3.結果:非共有環境要因としては,異なる親の扱い方,異なるきょうだい関係,異なる仲間関係の3つの側面と怪我や病気などを含む特殊な出来事の要因を抽出した。そして,達成動機得点及び非共有環境要因の各尺度得点について,それぞれのきょうだいの差異得点を算出し.達成動機と非共有環境要因との相関分析を行った。その結果,異なるきょうだい関係と異なる仲間関係,そして特殊な出来事と達成動機との間に有意な関連がみられたが、異なる親の扱い方と達成動機の間には有意な関連は認められなかった。 4,考察 この結果から,子どものやる気を高める家庭環境としては,きょうだい関係と仲間関係が重要な影響要因であることが示唆された。また,非共有環境要因の代表的な要因である出生順やきょうだい構成,親の養育態度は、達成動機の発達にほとんど影響を及ぼしていないと言える。 5.今後の課題 親の養育態度の影響が認められなかったのは,本研究の調査対象者が高校生、大学生であることが理由のひとつとして挙げられる。今後は,小中学生のきょうだいペアを対象として,運動意欲と家庭環境との関連について検討すべきである。
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Research Products
(1 results)