2007 Fiscal Year Annual Research Report
SSC運動理論を応用した子どものための新しい体力づくり法の開発
Project/Area Number |
18650178
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Research Institution | National Institute of Fitness and Sports in Kanoya |
Principal Investigator |
宮西 智久 National Institute of Fitness and Sports in Kanoya, 体育学部, 准教授 (20285646)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮西 智久 仙台大学, 体育学部, 准教授 (20285646)
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Keywords | SSC / 思春期前期 / 思春期後期 / 発育発達 / 運動プログラム |
Research Abstract |
スポーツ選手を対象にしたStretch-Shortening Cycle exercise(以降,SSCと略す)のトレーニング理論を子どもの体力づくりに応用すれば、子どもの健全な発育発達を促す運動プログラムを構築できる。本年度は2つの課題を達成した。 第一に、思春期前期にある中学生に関するSSC能力の実態を、形態や体力要因との関係を考慮しながら把握することができた。思春期にある中学生のSSC能力は、垂直跳により評価されるパワーとは異なり、身長や筋量の向上などの発育発達の影響を受けないものであることが認められた。また、この能力は通学手段の違いや運動経験の違いによって大きく左右されるスキル性の高い(神経系の要因)ものであることが認められた。これらのことは、思春期にある中学生には、形態の影響を受けないSSC能力を向上させるための運動プログラムを適応させる必要があることを示唆するものである。 第二に、発育発達の要因が影響しなくなっている思春期後期にある高校生についても、SSC能力を向上させることができるとともに、それは人間の基礎運動能力である走能力を改善することに繋がることを把握できた。走能力を加速能力と全速能力に構造化すると、加速能力には両脚同時SSC運動が,全速能力には片脚交互SSC運動がそれぞれ構造的に関係していることが認められた。これらのことは、思春期後期にある高校生には、様々な種類のSSC運動をその目的に応じて構造的に適応させる必要があることを示唆するものである。
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