2008 Fiscal Year Annual Research Report
SSC運動理論を応用した子どものための新しい体力づくり法の開発
Project/Area Number |
18650178
|
Research Institution | National Institute of Fitness and Sports in Kanoya |
Principal Investigator |
図子 浩二 National Institute of Fitness and Sports in Kanoya, 体育学部, 教授 (70284924)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮西 智久 仙台大学, 体育学部, 准教授 (20285646)
|
Keywords | SSC運動 / 発育発達 / 思春期 / リバウンドジャンプ / 運動プログラム |
Research Abstract |
本研究では、思春期にある中学生を対象にして、身長および体重から見た発育特性と垂直跳およびリバウンドジャンプ能力の発達との関連性について縦断的に検討した。中学1年生から3年生までの男女計192名を対象にして、8ヵ月間に渡って3週間に1回ごとに計9回、身長、体重、垂直跳(CMJ)、リバウンドジャンプ(RJ)の測定を行った。クラブ活動による実施状況や通学方法などについては、質問紙法によって調査した。その結果、身長および体重とCMJによる変化量との間には、男子では有意な正の相関関係が存在したことから、CMJは形態的な発育発達に伴って増大することが認められた。一方、身長および体重とRJ指数・接地時間・跳躍高の各変化量との間には、有意な相関関係がなかったことから、CMJとは異なり、RJは形態的な発育発達に影響を受けて変化するものではないことが認められた。そこで、運動経験に関する要因がリバウンドジャンプ能力の発達に及ぼす影響について検討した。まず、バス群・自転車群・徒歩群の通学方法に分けて比較すると、自転車群は、RJの接地時間が増長し、徒歩群は逆に短縮しており、それらの間には有意差が認められた。また、クラブ活動に注目すると、バドミントン群は、他の群に比較してRJの接地時間が短縮し、RJ指数も向上した。これらのことから、リバウンドジャンプ能力は、形態的な発育発達には影響されないが、運動経験の特性に大きく影響されることが認められた。本研究結果から、垂直跳の能力は思春期による身長や体重という形態的な要因の発育発達に大きく影響されるが、リバウンドジャンプ能力はこれらには影響されないことが明らかになった。このリバウンドジャンプ能力を向上させるためには、特別な運動経験を体育の授業などを通して、学校生活の中に取り入れる必要がある可能性が示唆された。
|
Research Products
(4 results)