2006 Fiscal Year Annual Research Report
血管位置自動追尾手法を用いた超音波血流計測装置の試作
Project/Area Number |
18650184
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Research Institution | Kobe Design University |
Principal Investigator |
古賀 俊策 神戸芸術工科大学, デザイン学部, 教授 (50125712)
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Keywords | 血管位置自動追尾 / 超音波血流計測装置 / 非定常状態 / 酸素供給 / 血管断面積 |
Research Abstract |
運動中は筋肉の収縮・弛緩作用によって血管位置が動くため、1)超音波ドップラービームの照射位置、あるいは熱希釈法に用いる熱電対センサーが対象血管からずれやすい、2)血管の断面積や形状を正確に測ることは難しいことが指摘されてきた。今回の研究では、血管位置計測用超音波で運動に伴う血管位置の移動と血管断面積を自動検出し、検出された対象血管内部だけに超音波を限定的に照射して、血流量を定量する方法に着目した。この方法によって血管外組織への超音波照射を無くすことが可能となり、市販の超音波ドップラー装置では不可能であった、動きが激しい運動中の筋肉血流量計測という課題をブレークスルーできる。 2つの超音波を使い、まず、第1の超音波を発するトランスデューサを列状に配したプローブから、均一な超音波を血管に向けて幅広く照射した。プローブに受信される反射信号は、血管の有無を反映したものとなり、血管の位置と幅が測定された(受信信号の時間的変化は血管の深さと断面積を表す)。次に、この位置検出結果を基にして、第2の超音波を照射するトランスデューサの位置を切り替えることによって、照射する超音波を血管の幅内に限定した。さらに受信された反射信号を血管の深さと断面積に応じた時間変化を基に抽出することによって、血管内からの反射だけを取り出すことができた。 リニアアレイ型プローブの設計と製作:血管位置検出用と血流速度計測用のトランスデューサ列を1つのプローブに組み込んだリニアアレイ型プローブを試作した。 低ノイズ超音波送受信回路の設計・製作:CADシステムを用いて、測定原理に基づいた処理を可能とするアナログ・デジタル混在型の送受信回路を設計した。また、高周波回路技術やノイズ対策技術などを使って、回路のS/N比の向上に努めた。
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