Research Abstract |
群馬大学大学院修士課程保健学専攻の社会人大学院生が理学療法士や作業療法士,言語聴覚士,社会福祉士として地域の医療、福祉施設に勤務している。そこで,これらのリソースを活用し,地域の病院外来,老人介護施設やグループホームなどでMCI、軽症認知症例をスクリーニングして,症例を集めている。スクリーニング法として,有意味かなひろいテスト,時計描画テストやベントン視覚記銘テストなどを実施した。有意味かなひろいテストは,MCI検出に優れており,MMSE得点よりも先に低下する傾向を示した。時計描画テストは感度が悪く,多くの場合は軽度認知症に至らないと得点が低下しなかった。しかし,一部では,全般的な認知機能を示すMMSEが高得点にもかかわらず時計描画テストの点数が低かった。このような症例は,高学歴でMMSEは得点が高いが,生活能力が低く,生活介護を必要とする人たちであった。ベントン視覚記銘テストは,誤謬数を用いると,MCIの検出に優れているという結果を得た。 MCI〜軽度認知症の症例に対して,脳活性化リハビリテーションを実施している。共同研究者に加えて研究代表者の指導する社会人学生である言語療法士や理学療法士,作業療法士が,介入群に作業回想法を主とした介入を病院や老健,デイサービスで実施し,どのような介入方法が有効かを検証しているが,成果をまとめるのは来年度になる。来年度は,さらに地域の介護予防教室での脳活性化リハビリテーションの展開を検討している。
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