2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18650204
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
石黒 純一 秋田大学, 教育文化学部, 教授 (00193300)
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Keywords | 知的障害 / 衣生活 / 色彩嗜好 |
Research Abstract |
目的:本研究は平成18年度から20年度の3年間にわたるものであり,特別支援学校に在籍する知的障害児童生徒の衣生活における色彩嗜好の傾向について,障害の事由に関連付けて統計的に解析し,児童生徒らの将来の生活の自立に向けた衣生活指導方策を探ることを目的とする。 調査:3年計画の1年目として,平成18年度は色彩嗜好データ収集を中心とした研究を行った。即ち,申請者が兼職している特別支援学校の児童生徒について,デジタルカメラを用いた私服登校時の季節毎の写真撮影を行った。また,各種の絵画展覧会に児童生徒が出品した作品の撮影を行った。また,美術の時間を使い布の染色授業を行った。さらに,担任に依頼して授業時間を活用して「ぬり絵」検査を行ってもらった。 結果:1.登校時の衣服については,小学部児童については親が選択していることから,子どもらしい衣服であり,現在の所,通常学校の児童の着衣とは差がないと判定している。中学・高等部の生徒について,衣服の色彩的には通常学校の生徒と差がみられなかったが,衣服の着方について差を見出している。2.絵画作品ついては,色彩嗜好を探るための基礎データとしている。3.染色の授業は高等部の軽度障害の生徒に対して行ったが,作業自体に興味をもたれたことから,今後,作業手順を改善してさらにデータを得る予定である。4.ぬり絵についてはイラスト化した家族モデル(祖父母・両親・兄弟よりなる6人家族)について30色の色鉛筆を使用してイラスト人物における顔・衣服・小物等への着色を依頼し,60余名の児童生徒によるデータを得た。現在はその内容を整理中であるが,今後,障害の種別・程度(知的発達障害,自閉傾向,等)データとクロスさせた解析を行う予定である。色彩心理学における「逸脱色彩」の使用が多数確認されており,19年度もさらに作業を依頼して結果の精度を高める予定である。
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