2006 Fiscal Year Annual Research Report
タウンセキュリティのあり方と地域防犯診断手法の構築に関する研究
Project/Area Number |
18650207
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
瀬渡 章子 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (60179348)
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Keywords | 住宅地計画 / 防犯まちづくり / セキュリティタウン / 防犯環境設計 / 安全・安心 / 犯罪不安感 |
Research Abstract |
H18年度は住宅地のセキュリティの実態を把握し対策に関する知見を得るために2つの調査研究を実施した。 (1)防犯に配慮された住宅地を対象とした入居者調査:大阪、兵庫、京都の3住宅地を対象に、防犯設備、防犯意識、近隣交流、住宅計画にたいする評価に関する入居者調査を実施し、回収できた403票について分析を行なった。地域を巡回する警備員を導入し防犯設備を標準装備している住宅地では、犯罪の発生は皆無ではなかったものの、入居者の安心感は高く、また住宅地の評価も高いと同時に、防犯のためにはハード面だけでなく近隣交流を重視する意識も強いことが明らかになった。 (2)トロント(カナダ)の現地調査:住宅や都市施設にも幅広く防犯対策を講じているトロントにおいて、住宅、公園、交通施設などの防犯対策の現状を視察した。また、警察や女性団体に対する聞取り調査を通して、現状の把握を行なった。公営住宅では、死角空間の除去につとめていること、防犯カメラによる監視システムの実情、住棟内へのアクセス制限の実態などについて把握できた。公園に関しては、不良者の俳徊などにより荒廃していた公園を地域住民の手によって再生され、人々が楽しく集う公園になっている事例にふれ、施設の利用促進の重要性を把握することができた。女性団体からは地域の安全診断手法を開発した経緯について話を聞き、関連資料を入手した。
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