2006 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者施設における衣生活の質の向上に寄与する人材養成をめざした基礎的研究
Project/Area Number |
18650210
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
泉 加代子 京都女子大学, 家政学部, 教授 (50105194)
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Keywords | 高齢者施設 / 衣生活 / 衣服管理 / 名前表記 / 洗濯 / ファッション・セラピー / ファッション・セラピスト / 人材養成 |
Research Abstract |
全国の高齢者介護施設にアンケート調査を実施し、施設内の高齢者の衣生活(特に衣服の管理)の実態とファッション・セラピストの養成を必要としているかどうかを検討した。 調査対象は、特別養護老人ホーム(特養)250件、養護老人ホーム(養護)65件、軽費老人ホーム<ケアハウスを含む>(軽費)250件、介護老人福祉施設(老健)185件、グループホーム250件の計1000施設である。調査時期は、平成18年10月中旬から下旬で、郵送調査法による無記名のアンケート調査を行った。調査内容は、(1)回答者の属性4項目、(2)施設の概要5項目、(3)入居者の衣生活に関して(衣服の保管・洗濯方法、職員の洗濯の知識など)26項目、(4)セラピーに関して4項目、(5)ファッションに関して(ファッション・セラピストの必要性など)14項目である。回答は施設全体を把握して責任ある立場の職員に依頼した。 回収率は47.5%(472件)である。老健、特養、グループホームの90%以上が入居者の衣服に名前を表記しており、約40%は衣服についているタグに表記しているが、直接衣服に書いている施設や名前を書いた布を衣服に貼り付けている施設も少なくない。特に、老健の約40%は名前を目立つように大きく表記していた。洗濯については、老健を除くほとんどの施設が施設内で洗濯しており、軽費以外の施設の約85%は職員が洗濯し、50%以上の施設が入居者ごとに洗濯物を分別しないで洗濯していた。また、服種による仕分けを全くせずに洗濯している施設が全体で28.3%あり、施設内の衣服管理に問題があることがわかった。ファッション・セラピーを実施したいか、ファッション・セラピストの養成は必要かとの質問に対しては、「どちらともいえない」「わからない」の回答が大多数であった。これはこれらの言葉自体がまだ知られていないことが原因と考えられ、介護や福祉関係への情報提供の必要性を実感している。
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