2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18650237
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Research Institution | Tokiwa University |
Principal Investigator |
松原 克志 常磐大学, 国際学部, 助教授 (90285750)
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Keywords | 司法 / 科学観 / 科学教育 / 法教育 |
Research Abstract |
平成18年度では関連文献の収集、法科大学院のパンフレット収集、公開されているシラバスの収集、司法関係者への聞き取り調査、大阪大学大学院高等司法研究科先端的法曹養成センター主催のシンポジウム「科学技術倫理と法曹教育〜新しいあり方の模索〜」への参加、を行った。平成18年度の研究成果から司法において科学的証拠が問題となる場合に米国の判例が参考となることが分かった。米国では科学的証拠が一般的承認に基づき永らく採用されていた。その結果、様々なレベルの鑑定人が誕生し、「junk science」が法廷で証拠となった。日本では司法関係者の科学観として古典的な科学観が支配的であることが示唆された。しかし他方、法曹関係者にも古典的科学観による実務への弊害も指摘されつつあることが分かった。科学的に正当か、科学的か非科学的かを峻別することに困難が伴う場合、法的判断も困難になる。法科大学院が設立され、法曹人口が増大し、裁判員制度が導入されれば、科学と法の接点が増すことが予想される。 平成18年度の調査から科学との関連性を意識した法科大学院が複数あることがわかった。科学技術社会論の視点による科学の理解については法曹倫理、刑事訴訟法等の法学基礎科目で扱うべきではあるが、授業時間等の制約により、対応が難しいことが示唆された。具体的な検討として応用科目、発展科目等に位置づけられる環境法や医事法で検討されている場合があることが分かった。
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