2006 Fiscal Year Annual Research Report
新しい視点に立った高等物理教育教材の研究・開発 〜球技を中心に〜
Project/Area Number |
18650241
|
Research Institution | Ariake National College of Technology |
Principal Investigator |
竹内 伯夫 有明工業高等専門学校, 一般教育科, 講師 (70413870)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 健 有明工業高等専門学校, 一般教育科, 准教授 (70290830)
鮫島 朋子 有明工業高等専門学校, 一般教育科, 講師 (40413869)
|
Keywords | 高等物理教育 / 教材研究 |
Research Abstract |
平成18年度は研究に必要な測定機器の購入及び整備、データ収集や解析方法の開発、物理現象の理論解析などを行った。本研究の題目は「新しい視点に立った高等物理教育教材の研究・開発〜球技を中心に〜」となっており、身近な現象から物理学を学ぶことにある。その目的を達成するためには、まず球技を通じた物理に関するデータの種類とその収集方法について吟味しなければならなかった。本研究において実験を行ったところ、必要なデータの取得が容易でなかった。そのため、特定の球技(ソフトテニス)に対象を絞って解析を進めた。物理教育教材開発の対象分野は、初等高等物理学のうちのまずは古典力学の落体運動(斜方投射)とし、特に考察を深めた。高等学校の検定教科書においては空気抵抗が無い場合の落体運動の議論が進められている。本研究では空気抵抗がある場合の解析的な計算式を示し、実際に空気抵抗の比例定数を求めた。物体の落下という身近な現象を教材として物理教育教材の開発が進められた。一方で、空気抵抗がある場合の計測方法に改善点も見出された。また、空気抵抗が速度の何乗に比例しているのかを調べる必要性を感じた。一般的な教科書では速度の1乗もしくは2乗に比例させているが、これは解析的に積分が解けるように工夫されたものであり、実際の落体運動では整数乗になっているとは限らない。比例定数と速度の乗数との2つの変数を変えながら、空中におけるソフトテニスポールの軌跡に関して、理論計算と実験の図を描き、比較検討を行った。 今後の課題は、落体運動に関する計測方法の改善、測定回数の増大(データの信頼性の向上)、空気抵抗の寄与に関する理論的および実験的分析、落体運動以外の分野の教材開発、ソフトテニス以外の球技への適応・拡張、等である。
|