2006 Fiscal Year Annual Research Report
「鍾乳石同位体温度計」を作る!ー陸域炭酸塩に基づく気候変動解明のためにー
Project/Area Number |
18651009
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
松田 博貴 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (80274687)
|
Keywords | 鍾乳石 / 同位体温度計 / 環境変動 / 炭酸塩 / 炭素安定同位体 / 酸素安定同位体 |
Research Abstract |
本研究では,陸域炭酸塩の代表である鍾乳石の炭素・酸素同位体比に基づき陸域環境変動を解読するために,日本各地に点在する鍾乳洞の滴下水と鍾乳石の同位体比分析を基に,1)鍾乳洞滴下水の炭素・酸素同位体比について,広範な水温範囲で明らかにすると共に,各地点における滴下水の同位体比の季節変化を明らかにする,2)滴下水分析を実施した鍾乳洞より鍾乳石を採取し,その炭素・酸素同位体比を分析する.あわせて鍾乳石試料の成長速度を明らかにする,ならびに3)上述の研究成果を総合して,鍾乳石の非平衡沈澱を考慮し,滴下水の水温と鍾乳石の同位体比の関係を表す「鍾乳石同位体温度計」を作成する,ことを目的としている. 平成18年度は,上記目的を達成するために,まず基礎的データを入手するために,日本列島に点在する鍾乳洞を対象に,まず滴下水と鍾乳石の採取の可能性の検討,鍾乳石の産状の観察,滴下水の水温・pHなどの現地測定ならびに滴下水試料の採取を実施した.検討を実施した鍾乳洞は,前原洞(宮古島),玉泉洞(沖縄本島),星野洞(南大東島),水連洞(沖永良部島),龍河洞(高知県),出流洞(栃木県)であり,これらのうち,玉泉洞・星野洞・水連洞において滴下水の採取を行った.また水連洞においては,滴下水と対応した地点から鍾乳石試料の採取を実施した.また得られた滴下水試料について,水質イオン分析と炭素・酸素同位体比分析を行った.
|