2006 Fiscal Year Annual Research Report
海底下メタンハイドレート湧出現象と気候変動との関連性解明に関する研究
Project/Area Number |
18651010
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
内田 昌男 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境観測研究センター, 研究員 (50344289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内海 真夫 筑波大学, 生命環境化学研究科, 講師 (60323250)
阿波根 直一 北海道大学, 理学(系)研究科, 助教授(研究員) (30359161)
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Keywords | 環境変動 / 気候変動 / メタンハイドレード / 微生物 / 地球化学 |
Research Abstract |
本研究では、バイオマーカーによる過去の記録解釈をより正確にすることを目的に、有孔虫の炭素同位体比異常が見つかっている堆積物コア、メタンシープなどの表層堆積物を用い、堆積物中のバイオマーカー分析の他、堆積物ならびに海底直上海水中に棲息する細菌群集構造とそれらの細菌に純粋に由来するバイオマーカーのindexを同時に作成することで、バイオマーカーのプロファイリングを可能にする手法の確立を目指す。さらに有孔虫化石の自然レベル放射性炭素、安定同位体比を用いたマスバランスモデルを構築することによって、有孔虫の炭酸カルシウム骨格の炭素同位体比異常とメタン放出量の関係についての経験式を求め、実際の堆積物コアに保存された有孔虫異常に影響を与えたメタン放出現象を定量的に評価する手法を開発する。これらの方法を利用すれば、将来、高分解能海洋堆積物コアを用いた過去のメタンハイドレート湧出に関するイベント発見が可能となり、さらに放出されたメタン量の見積もりから、自然レベルの環境変動で失われたメタン量の推定も可能となることから、環境影響評価研究の為の重要な知見の提供につながるものと期待できる。平成18年度は、すでに有孔虫化石の同位体費異常が見つかっている下北沖、十勝沖海底コアについて、バイオマーカー分析並びに放射性炭素分析を行い、同位体比を用いたマスバランスモデル構築のための検討を行った。来年度は、さらにこれらのコアについて同様の分析を進め、炭素同位体異常炭素の起源についてのより定量的な検討を行う予定である。
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