2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18651021
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
後藤 尚弘 豊橋技術科学大学, 工学部, 准教授 (50303706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
姥浦 道生 大阪市立大学, 工学部, 助教 (20378269)
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Keywords | 地産地消 / ライフサイクルアセスメント / 輸送 / 炭酸ガス排出 |
Research Abstract |
本研究は地産地消による環境負荷の変化を評価することを目的とし、キャベツとトマトに注目し,地産地消によるCO_2排出量低減量を生産と輸送工程を考慮して推計した.キャベツは露地栽培であるが,季節をずらして全国各地で生産されているために,生産によるCO_2排出量に季節間の大きな差はみられなかった.また,地産地消によりCO_2排出量の約7%を削減できることがわかった.これは生産と比較して輸送から排出されるCO_2の割合が高いため,地産地消の効果が高く表れるという結果になった.トマトは旬があり,冬季や寒冷地では加温して栽培しているので,夏秋と冬春で生産によるCO_2排出量に大きな差がみられた.生産によるCO_2排出量が,輸送のそれよりも大きいため,地産地消の効果はCO_2排出量の約2%程度を削減するまでにとどまった.これは冬期におけるトマトの生産にかかるCO_2排出量が大きいためである.生産の時期をずらす旬産旬消の効果を推計した結果,トマトは冬春から夏秋に一人当たり290g消費量をシフトすることによって10%のCO_2削減効果が示唆されたが,キャベツは同程度のCO_2削減効果を得るためには1400gを夏秋から春へシフトしなければならないという結果になった.地産地消は輸送距離が短縮によるCO_2排出量削減が注目されているが,生産によるCO_2排出量を併せて考えたとき,地産地消がCO_2排出量削減に効果的ではない野菜があることが示唆された.トマトのように生産によるCO_2排出量が多い野菜に対しては,旬産旬消がCO_2排出量削減に有効である.農作物の環境負荷を考える際には,生産,輸送を併せて考え,野菜ごとに地産地消・旬産旬消を使い分ける,「適産適消」こそがCO_2排出量削減に効果的であると考えられる.
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Research Products
(3 results)