2007 Fiscal Year Annual Research Report
土壌における芳香族化合物分解の評価に機能遺伝子データを網羅的に用いる手法の開発
Project/Area Number |
18651031
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
栗栖 太 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 准教授 (30312979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢木 修身 日本大学, 大学院・総合科学研究科, 教授 (40132865)
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Keywords | 機能遺伝子 / 環境診断 / 土壌汚染浄化 |
Research Abstract |
土壌汚染の浄化対策手法として微生物による汚染対象物質の分解を行うバイオレメディエーションが有効である。汚染現場における微生物の分解ポテンシャルを評価する手法として、対象とする汚染物質の分解に関与する遺伝子について網羅的に解析する手法として、本研究ではマイクロアレイ技術に注目し、その開発を行っている。昨年度、微生物によるベンゼンの好気分解を触媒する酵素であるオキシゲナーゼ遺伝子について、環境試料中の多様性解析を行い、データベースの充実を図った。 今年度はまず、アレイに貼り付けるべきプローブ群の設計を行った。プローブの設計には、塩基配列解析ソフトウェアのARBにて解析し、ある程度の冗長度を持たせながら、系統樹のクラスターごとを標的とするプローブを設計した。その結果、ベンゼンモノオキシゲナーゼ類縁のモノオキシゲナーゼについて、標的との相同塩基数が58/60塩基対以上、非標的とは相同性が54/60塩基対以下、ストレッチが20塩基対以下の条件下で、99種類のプローブを設計できた。 次に、特異性の評価のために実際にマイクロアレイを試作し、プローブのターゲットとする配列を有する純菌株のDNAを用いたハイブリダイゼーション試験を行なった。ハイブリダイゼーション温度の最適化をまず行なったのち、最適条件にて各種純菌株DNAにより、標的DNAのみが検出できるか確認した。その結果、偽陰性となるプローブは存在せず、特異性が高いことが示された。しかし、偽陽性全体の2.7%あった。これら偽陽性の排除条件について検討したところ、偽陽性プローブを排除するには多くのプローブを排除せざるを得なくなることがわかった。網羅的な解析を行う目的に照らし、わずかな偽陽性プローブについては、同一標的を検出する複数のプローブを併用することにより、全体の判別として誤診を防ぐ方法が適当であることがわかった。
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] An oligonucleotide microarray for analysis of benzene oxygenase genes in soils2007
Author(s)
Iwai, S., Kurisu, F., Urakawa, H., Kasuga, I., Yagi, O., and Furumai, H.
Organizer
The 107th General Meeting of American Society for Microbiology
Place of Presentation
Toronto, Canada
Year and Date
20070521-25
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