2006 Fiscal Year Annual Research Report
セリア固溶体担持バリウム触媒による窒素酸化物の直接分解除去
Project/Area Number |
18651038
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩本 伸司 京都大学, 工学研究科, 助手 (50252482)
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Keywords | NO直接分解 / セリア固溶体 / 担持バリウム触媒 |
Research Abstract |
酢酸セリウムと酢酸マンガンを1,4-ブタンジオール中に加え、オートクレープ中、300℃で加熱して得られた生成物を400℃、空気中で焼成し、これに硝酸バリウム水溶液を用いて所定量のバリウム(BaOとして7wt%)を担持し、その後800℃で焼成して触媒を調製した。NO直接分解反応は、固定床流通反応装置を用い、触媒0.59に反応ガス(6000ppm NO/He)を30m1/minで流通させて行った。Mn/(Mn+Ce)比が0.25および0.75の場合、蛍石型構造のXRDパターンがみられ、また回折ピークが高角度側へシフトしていたことから、これらの試料ではCe-Mn酸化物固溶体が生成していると考えられる。反応温度700℃でのNO転化率は、Mn/(Mn+Ce)比が、0,0.25,0.5,0.75,1で17,58,48,31,8%であり、CeとMnを複合した担体の場合に高いNO転化率が得られた。ESR測定では、Mn2+に由来するシグナルが認められ、そのシグナル強度はMn/(Mn+Ce)比が0.25の場合に最も大きく、比が増えるにつれ徐々に低下する傾向であった。H2-TPR測定では300℃付近にMnの還元によるピークがみられた。H2消費量から求めたMn2+の割合はMn/(Mn+Ce)比が0.25の場合に最大であり、ESR測定結果とよい対応がみられた。NO直分解活性は触媒中に含まれるMn2+の割合と良い相関を示し、セリアの結晶構造中にMnイオンが取り込まれ、酸素欠陥が生じることがNO分解活性の向上に寄与していることが示唆された。
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