2007 Fiscal Year Annual Research Report
汚染環境を生物によって修復するための環境浄化微生物の現位置育種方法の開発
Project/Area Number |
18651039
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
遠藤 銀朗 Tohoku Gakuin University, 工学部, 教授 (80194033)
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Keywords | 遺伝子伝播 / 環境浄化 / 原位置分子育種 / トランスポゾン / 細菌性イントロン / 自己スプライシング / IEP |
Research Abstract |
本研究は、微生物の遺伝子転移能力を活用することによって、原位置分子育種法(in situ molecular breeding法)という新しい環境汚染浄化生物の育種法を開発することを目的として行ってきた。 平成19年度の研究では、水銀耐性細菌Bacillus megaterium MB1株から発見されたグループIIイントロンのB.me.I1を研究対象とし、細菌性グループIIイントロンのスプライシングに必須と思われた因子の一つであるIEPタンパク質に着目し、in vivo及びin vitroでそれぞれ実験系を構築し、B.me.I1のスプライシング現象を検討した。大腸菌のクローニング系を用いた実験では、B.me.I1はin vivoでタンパク質非依存的に自己スプライシング現象が確認された。RT-PCR、サーザン法及びノーザン法を用いてin vitroで解析した結果より、これまで報告されてきた細菌性グループIIイントロンとは異なり、グループIIイントロンB.me.I1は、原核生物においてIEPおよびその他の生物因子の補助なしでスプライシングできることが示された。また、外来性の遺伝子を挿入した場合でもイントロンは正常にスプライシングし、挿入遺伝子も正常に発現することを明らかにできた。したがって、細菌性グループIIイントロンB.me.I1は、原位置分子育種法に実用するツールとして、IEP遺伝子領域を環境浄化に関する遺伝子に置き換えてもin vivoでスプライシング可能と考えられた。
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