2006 Fiscal Year Annual Research Report
微視的トポロジカル欠陥構造の時間発展と動的安定性に着目した分子膜の変形機構の解明
Project/Area Number |
18651049
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中谷 彰宏 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (50252606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土井 祐介 大阪大学, 大学院工学研究科, 助手 (10403172)
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Keywords | トポロジカル欠陥 / 計算力学 / 転位 / 乾燥泡膜 / 非線形局在モード / 曲率 / フェーズフィールド法 / 分子動力学法 |
Research Abstract |
本課題は微視的トポロジカル欠陥の動的安定性と運動に着目した分子膜の変形機構の解明を目的としている。 本年度は、トポロジカル欠陥としての転位の取り扱い、非線形局在モードの解析、膜構造の原子レベルからの解析と連続体レベルの変形解析、応用としてのナノカプセルからの物質拡散について検討した。研究実績は以下のとおりである。 1.トポロジカル欠陥の周囲の応力場とひずみ場および不連続を含む変位場を理解し、計算機上での効率のよい取り扱いを可能とするPartition-of-Unity法による定式化を行った。具体的な例として、金属結晶中の刃状転位のモデル化をおこなった。 2.非線形相互作用によるエネルギー局在構造として、グラフェンシート上に誘起される非線形局在モードについて分子動力学法を用いて検討した。 3.ひずみエネルギーが曲率の項で表される膜体の軸対称変形を扱い、トポロジーの変化によるエネルギーの変化、安定性について検討した。 4.流体中の弾性膜の変形を扱うためのフェーズフィールド法に基づく解析コードを作成、二次元問題に対して狭搾部を有する流路での変形を解析した。 5.分子動力学法による膜モデルの解析として、DTAC、C18-Siからなる無水構造である乾燥泡膜のモデルを作成し、水素および酸素の透過性について調べた。 6.ナノカプセルの物質放出と周囲の物質拡散挙動について、拡散係数の環境依存性を考慮した解析を実施した。
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