2006 Fiscal Year Annual Research Report
球状多分岐ポリマーを鋳型とした導電性ナノ球状物質の創製
Project/Area Number |
18651054
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
平尾 明 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 教授 (00111659)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 賢次 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助手 (20282840)
|
Keywords | 導電性 / ポリアセチレン / 導電性ナノ物質 / 樹木状多分岐ポリマー / リビングアニオン重合 / 小角X線回折 |
Research Abstract |
3世代の樹木状多分岐構造を有するデンドリマー様スターポリマーを合成し、第2層のポリマー鎖末端のシリル基を定量的にベンジルブロミド基に変換した。用いたポリマーは核部分で4分岐、第一層、第二層で2分岐の枝セグッメントを有しているため、鎖末端のベンジルブロミド基は合計32個になる。次いで、4-メチルフェニルビニルスルフォキシドのリビングアニオン重合を行い、合成したリビングアニオンポリマーとベンジルブロミド化ポリマーとの反応を行った。条件を様々に検討した結果、60-80%のベンジルブロミドが反応して、第三層(最外層)にポリ(4-メチルフェニルビニルスルフォキシド)の導入に成功した。さらに得られたポリマーを150℃で数時間加熱することで、導入したポリ(4-メチルフェニルビニルスルフォキシド)を導電性のポリアセチレンに変換した。変換反応は定量的である。 変換前のポリマーを溶液中、小角X線回折で解析すると、16mmのサイズであり目的のナノオーダであったが、予想に反して短軸と長軸の比が0.58の楕円形をしており、完全な球形ではないことがわかった。この実験は、デンドリマー様スターポリマーの形態を初めて明らかにしたことより極めて大きな意義がある。このポリマーも導電性ナノ物質として本研究に用いるが、同時に球形の鋳型ポリマーの合成を考え、さらに高世代のポリマー、及び枝密度の高いポリマーを合成し、それらの溶液中や固体状態での形態測定とポリ(4-メチルフェニルビニルスルフォキシド)の導入、ポリアセチレンへの変換を計画して現在合成中である。またポリマーサイズの制御を考え、枝ポリマーの分子量を5000から50000程度まで変化させたポリマーの合成を行っている。
|